
妊活お役立ちコラム
2026/03/25
妊娠中/産後
更年期障害でよくある気分の落ち込み|原因と緩和法

女性のターニングポイント「更年期」
更年期には、身体や心に様々な変化が現れやすいです。
「最近イライラして抑えられなくなった」
「ちょっとしたことで不安になり、泣いてしまう時もある」
「電車にのるとドバッと汗が出てきて、自分だけ汗をかいているのが恥ずかしい」
症状は人それぞれ違うので、つらく思う部分も様々です。
そんな症状やお困りごとはありませんでしょうか。
これらの心の不安感や身体の変化はホルモンバランスによるもので、自分自身の意識だけではコントロールしにくくなるため、悩みの原因となることもあります。
さらに更年期は、責任のある立場や家庭を支える年代と重なりやすいため、負担は大きくなりがちです。
この記事では、更年期症状による心身の不調の原因や対処法、さらに東洋医学での考え方や気分の落ち込みに対処するツボを紹介します。
もくじ
更年期とは
更年期とは、生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期を指します。
具体的には閉経の前後5年ずつの合計10年が更年期と呼ばれています。
閉経の平均的な年齢は50歳なので、だいたい45〜55歳の間で閉経を迎える方が多いです。
閉経に向けてホルモンバランスが大きく変わっていくことで、日々の生活に支障が及ぶ心身の不調を更年期障害といいます。
更年期の症状としては、大きく分けて3つ。
- ・自律神経失調症状(ホットフラッシュやめまい、肩こりなど)
- ・精神的症状(情緒不安定、不安感やイライラなど)
- ・身体的症状(腰痛、消化器系の症状、皮膚粘膜の乾燥など)
今回はこの自律神経症状、精神的症状、身体的症状の中の精神的症状の解説と対処法を説明します。
更年期の精神的症状
更年期の女性は、次のようなうつ状態や不安感などの症状が現れることがあります。
《精神的症状の例》
- ・情緒不安定
- ・イライラ
- ・気分が落ち込む
- ・憂鬱
- ・思考力の低下・集中力の低下
- ・物事に対して興味がわかない(楽しくない)
- ・疲れやすい
- ・脱力感
- ・些細なことで不安に思ってしまう
更年期症状の出やすい順序
更年期症状の出方は、年齢によって変化しやすいと考えられています。
月経不順などの更年期の最初の方では、のぼせやめまいなど自律神経失調症状
その後に不安感や憂鬱などの精神的症状が出られるケースが多いようです。
さらにその後の閉経後では、泌尿生殖器の萎縮や骨粗しょう症など身体的な変化がみらやすくなります
更年期に抑うつ気分を感じる原因
更年期に生じやすい抑うつとは、一時的に憂鬱になったり落ち込んでしまったりする状態のことです。
人により抑うつ状態になったり、イライラなど怒りの感情が出たりする方がいらっしゃいます。
なぜこの症状が出てしまうのでしょうか。
女性ホルモンの減少
更年期では閉経の準備として、女性ホルモンの分泌が急激に減少していきます。
それにより月経不順や不正出血、また他のホルモンバランスが崩れるなどの変化が出やすくなります。
セロトニンの減少
女性ホルモンの減少により、心の安定に重要な脳内物質(セロトニン)の分泌にも影響が起こることが考えられています。
別名、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンは、気分の安定に重要な働きをしていて、そのバランスが崩れることで不安やイライラなどの症状が出やすくなるのです。
心理的要因
更年期では気分が落ち込む、理由のない不安感などを感じる事があります。
心の不調も出やすいため溜め込まず周りに相談する事が大切です。
更年期はうつ病や不安障害など、精神的症状が出やすくなる傾向があります。
特に以前うつ病を発症した経験がある方は、再発する可能性が高いため、注意が必要かもしれません。
もし精神的症状がお辛いと思う場合は、専門医に相談しましょう。
社会的な要因によることも
更年期を迎える時期はちょうどさまざまな変化が出やすい時期でもあります。
仕事のキャリアアップなどで責任が強くなったり、親の病気や介護、他にもお子さんの就職や結婚など…ライフステージが変わる時期で大きな変化が続きやすくなります。
家庭や職場環境の変化により気持ちが追いつかなかったり、思うようにいかずストレスが溜まったりと精神的にも負担が増えやすくなるのです。
抑うつとうつ病の違い
更年期に起こりやすい抑うつ症状とは、一時的に気分が憂鬱になったり、落ち込んだりする症状を指します。
抑うつ症状が出た場合は十分な休養や気分転換をすることにより回復しやすくなります。
一方うつ病の場合は、気分の落ち込みなどの症状が重篤で、かつ長期的に起こりやすい病気となります。
要は、抑うつとは症状を指しうつ病は病名です。
両者とも明確な基準がないため、心配な方は専門医に相談がオススメです。
その他の病気や原因の可能性
イライラや落ち込みなどの精神的な症状は更年期以外でも見られる場合があります。
精神疾患
うつ病や躁うつ病、不安症、適応障害など精神疾患によっても気持ちの起伏が激しくなることがあります。
更年期と同じようにセロトニンの低下がうつ病などの病態と深く関わると考えられているため判別が難しいです。
甲状腺機能障害
甲状腺ホルモンは、細胞の代謝を促す働きの他にも、セロトニンやアドレナリンなどの神経伝達物質の調整にも関与します。
そのため甲状腺機能の異常は感情や意欲などの不調として現れる可能性があります。
鉄欠乏性貧血
実はセロトニンを合成する過程で鉄が必要となります。
そのため鉄が少ないとセロトニン合成がうまくいかず、精神面の不調が現れる可能性があります。
更年期の抑うつ気分の対処法
ホルモン補充療法
少なくなってしまっている女性ホルモンを補充し、症状を緩やかにする方法となります。
方法としてはエストロゲン製剤のみを使う方法とエストロゲン製剤+黄体ホルモン製剤を組み合わせる方法の2種類です。
エストロゲン製剤の場合、飲み薬の他にも貼り薬な塗り薬があるため、担当医と相談して選択するのも良いかと思います。
セロトニンの分泌を良くする
「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニン。
セロトニンがしっかり分泌されると、心が安定しやすくなります。
実は、セロトニンは生活習慣のを見直すことで分泌されやすくなると言われています。
朝、太陽の光を浴びる
朝起床したらカーテンを開けるようにしましょう。
お日様の光を浴びる事で目から刺激が入り、セロトニン分泌が促されます。
運動
運動の中でも特におすすめなのがリズム運動。
リズム運動とは一定のリズムで繰り返し行う運動です。
例えば、踏み台昇降や自転車をこぐ、ウォーキングなど。
リズム運動を取り入れるとセロトニンが分泌しやすくなります。
1日20分を週2〜3回を目安に行えるといいです。
食事
実は「噛む」という動作もリズム運動となります。
さらによく噛むことで食べた物を消化・吸収しやすくなるため、胃腸の働きも上がりやすくなります‼︎
栄養素を摂る
上でよく噛むことをお勧めしましたが、何を食べるかも重要となります。
セロトニンの原料となるトリプトファンを取り入れましょう。
トリプトファンは以下の食材で摂取できます。
- ・納豆、豆腐、味噌などの豆類
- ・牛乳やヨーグルトなどの乳製品
- ・アーモンドやピーナッツなどのナッツ類
他にもバナナなどに多く含まれています。
睡眠
家事や育児、介護、仕事などで追われてしまい、睡眠時間がしっかり取れていない場合もあります。
睡眠不足は体内時計のリズムを乱しやすくなり、自律神経にも悪影響につながります。
規則正しい睡眠そして、十分な休息時間を意識しましょう。
漢方薬
漢方薬を取り入れることで、症状が緩和する可能性もあります。
一般的によく使われる漢方として
- ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- ・加味逍遙散(かみしょうようさん)
- ・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
などがあります。
体質によって漢方薬も変わってくるので、飲まれる際は医師や薬剤師さんに相談してみると良いかと思います。
心を落ち着かせる~リラックス~
イライラや心が落ち込んでしまい、心が乱れた時の対処法をお伝えします。
マインドフルネス
マインドフルネスとは、「今この瞬間の体験に、評価や判断を加えすぎず、気づいている状態」を指します。
わかりやすく言うと、イライラなどの感情に乱されてしまうところを、一歩引いたところで観察する感覚です。
例えば天気で現すと…
晴れの日もあれば雨の日も雪の日もあります。
マインドフルネスでは、雨の日を晴れに変える事ではなく、「今日は雨だ」と把握することです。
その状態に気づくことで、傘をさすというなど対応しやすい状態にしていくのです。
それにより感情に飲まれにくくなり、またそれた意識を元に戻すため集中力の向上にもつながります。
そあら鍼灸では症状を緩和し、望む状態に向けて深いリラックスの中で施術をするヒプノ鍼灸という特殊なアプローチを行っています。
ヒプノ鍼灸|眠りに落ちるような心地よさの催眠鍼灸
エリクソン催眠を活用した鍼灸。鍼灸による体の緩みに、エリクソン催眠のエッセンス(会話・イメージ誘導)を組み合わせた施術スタイルです。眠りに落ちるような“ヒプノ鍼灸”で、心身を整え、安心できるケアをお届けします。
呼吸
呼吸は道具など使わないので、どんな時でもできるセルフケアとなります。
仕事の合間やお昼休憩の時などに取り入れていきましょう。
【やり方】
- 1.静かな場所で椅子に座ります。
- 2.目を閉じて、自分の呼吸に意識を向けます。
- 3.ゆっくり深呼吸をしていきます。意識としては長く吸って、長くはくイメージです。
- 4.様々な感情が入ってしまったら、また呼吸に意識を向けます。
数分間行って終わりになります。
自分時間
自分の時間を作ることで、心身を休める時間を取れるためリフレッシュできます。
またその時間があることで「どう負担を減らしていけるか」を考えるきっかけにもつながるため、おすすめです。
周囲の力を借りる
さまざまな対処法をお伝えしてきましたが、なかでも優先していただきたいことの一つが、周囲に協力を求めることです。
つらいときは無理をせず、正直に今の状態を周りの人へ相談してみてください。
仕事や家事、育児などを少し分担してもらうことで、身体的な負担だけでなく、精神的な負担の軽減にもつながる可能性があります。
気持ちを我慢しすぎたり、一人で抱え込みすぎたりせず、周囲の力も借りながら乗り越えていけると良いですね。
東洋医学と更年期の気分の落ち込み
更年期の気分の落ち込みは東洋医学でどのように考えるか
東洋医学では女性の体の一生と深く関わるのが「腎」という臓器です。
腎とは、西洋医学でいう腎臓そのものではなく、成長・発育・生殖・ホルモンバランス・生命力の土台のようなはたらきを持つものです。
東洋医学では、女性は7の倍数の年齢の時に身体の変化が現れると考えられています。
21歳で身体ができあがり、28歳で身体が最も充実していきます。35歳卵巣機能が少しずつ弱っていき、肌や髪の変化が出始めます。42歳は白髪が目立つようになり、49歳では閉経の時期に入るとしています。

このように年齢とともに「腎」の働きの変化とともに様々な身体の変化が起きます。
また「腎」の働きが弱くなっていくと驚きや恐怖で不安な感情が出やすくなります。
それに合わせて身体の不調が出たりするとより気持ちの部分で落ち込みやすくなるのです。
さらに東洋医学では、「心(しん)」の働きとても大切にします。
ここでいう心は、心臓そのものだけではなく、血の巡りや気持ちの安定にも関わるものです。
そのため、不安やイライラ、眠りにくさ、動悸のような症状も、心のはたらきと関わります。
このように更年期は、腎と心の変化が起きやすい時期です。
そのため、
- ・めまい
- ・耳鳴り
- ・動悸
- ・不眠
- ・イライラ
- ・のぼせ
- ・汗をかきやすい
といった不調があらわれます。
更年期と月経に関係する経絡
更年期や月経の不調を考えるとき、東洋医学では子宮や「腎」「心」という臓器だけを見るわけではありません。
その中でも重視するのが、衝脈(しょうみゃく)と任脈(にんみゃく)という、女性の身体と深く関わる気の流れ道です。
これらは、月経のリズムや女性の身体を支える土台のようなものと考えられています。
衝脈と任脈のはたらきが弱くなると、月経や更年期にまつわるさまざまな不調があらわれます。
東洋医学では、こうした症状はホルモンの変化だけでなく、血の変調(月経)や気持ちの変化が重なって起こると考えます。
つまり更年期の不調は、子宮、腎・心・経絡など全身のつながりの中で起きていると考えるのです。
そあら鍼灸院の考えと更年期の施術で大切なこと
更年期の不調や気分の落ち込みは、同じように見えても、実際には一人一人で状態が異なります。
のぼせやほてりが強い方もいれば、冷えやだるさが目立つ方、イライラしやすい方、不安感が強い方、眠りが浅くなる方など様々な不調があります。
このように多彩な症状が出るため、使うべきツボもお身体の状態によって変わります。
だからこそ、更年期のケアでは、子宮や腎・心・経絡など特定なものだけではなく、血流や自律神経、心の緊張も含めて考えていくことが大切です。
そのため
- ・ストレスをため込みすぎないこと
- ・気持ちをゆるめる時間をつくること
- ・生活リズムを整えること
- ・食事に気をつけて胃腸をいたわること
がとても大切になってきます。
更年期の気分の落ち込みに対する代表的なツボ
内関

手首から指3本分進んだ、真ん中に取ります。
膻中

左右の乳中(ちくび)の真ん中に取ります。
神門

手首の小指側の腱の内側に取ります。
事例
Sさんは、以前不妊治療で通われていた42歳の方です。
その後、無事に双子を出産され、日々子育てに奮闘されていました。
そんな毎日を過ごす中で、ある時から急に熱が頭にのぼるような感覚が出るようになったそうです。
そこまで暑いわけではないのに、脇の汗が増えたことも気になっていると教えてくださいました。
もともとの生理周期は28〜30日ほどで安定していましたが、ここ数ヶ月は2週間で生理が来ることもあり、周期の乱れがみられていました。
お身体をみていくと、お腹には汗をかいている一方で、足元はひんやりしている状態でした。
脈は弦脈(げんみゃく)。
弦脈とは、張りつめたような緊張感のある脈を指します。
日々の忙しさや、子育てでの抱っこなどによる身体のこりや緊張が、脈に現れていた可能性が考えられました。
東洋医学では、弦脈は「肝」と関わりが深いとされています。
肝には蔵血(ぞうけつ)という働きがあり、血を蓄え、必要に応じて全身へ巡らせる役割があります。
しかし、ストレスや疲労などで熱がこもると、その働きのバランスが乱れ、血を押し出す力が強くなってしまうことがあります。
その結果、血をうまく留めておけず、生理周期が早まることもあります。
そこでSさんには、弦脈に対するツボへ鍼を行い、あわせて頭まわりの熱を取る施術をしました。
施術後には、
「頭の熱が取れた感じがする」
と話され、汗も落ち着いていました。
その後、4ヶ月ほどして来院された際には、
「生理周期も28日くらいに戻ってきた」
とおっしゃっていました。
まとめ
更年期は、ホルモンバランスの変化により、ほてりや発汗だけでなく、不安感・イライラ・気分の落ち込みなど心にも影響が出やすい時期です。
さらに仕事や家庭、育児や介護などが重なり、心身の負担が大きくなりやすい年代でもあります。
東洋医学では、こうした不調を「腎」や「心」、そして女性の身体を支える経絡の変化として捉え、全身のつながりから整えていきます。
そあら鍼灸院では、一人ひとり異なる更年期症状に合わせて、血流や自律神経、心の緊張も含めた施術を大切にしていますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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