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妊活お役立ちコラム

2025/09/20

妊娠中/産後

妊娠中の便秘?原因や東洋医学的な改善法やツボもお伝えします

「妊娠してから便秘でお腹が張って苦しい」

 

「あまりいきみすぎるとお腹の赤ちゃんに何か影響が出てしまうのではないかと不安」

 

「便秘を解消する薬を飲みたいけど、妊娠中は飲んでもいいの?」

 

便秘は症状や感じ方には個人差もありますが、日本消化管学会編集による便通異常症診療ガイドライン2023では、

「本来排泄すべき糞尿が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」

と定義されています。

 

妊娠中に便秘が続くと、赤ちゃんを圧迫したり、それにより赤ちゃんの成長に影響を与えるのではないかと心配するかもしれません。



また、便秘が続くことで不快感やストレスを感じやすくなります。

 

そこで今回は、妊娠中の便秘ついて、原因や対処法について解説していきます。

 

 

もくじ
  1. 1流産や早産の心配は?
  2. 2妊娠中の便秘の原因
  3. 3便秘薬について
  4. 4その他の注意点
  5. 5鍼灸による便秘の改善方法
  6. 6東洋医学と便秘
  7. 7便秘のメカニズム
  8. 8妊娠前から続く便秘が定期的な鍼灸治療により改善し、妊娠後の便秘予防につながった事例
  9. 7まとめ

 

流産や早産の心配は?

妊娠中の便秘が、流産や早産のリスクを上げるというエビデンスは、現段階ではありません。

 

ただし、排便時に過度にいきむことで腹圧がかかり、子宮への圧迫などでお腹が張りやすくなってしまう可能性があります。

 

そのため、便秘がひどくなる前に生活習慣の見直しや、早めに医療機関に相談することが重要です。

 

 

 

妊娠中の便秘の原因

妊娠中の女性

妊娠中の便秘の原因は、

  • ・つわりによる食生活の変化
  • ・ホルモンの影響
  • ・子宮の大きさの変化
  • ・運動不足
  • ・心理的な要因

か関わっています。

 

11つ解説していきます。

 

 

つわり

 妊娠初期はつわりにより、規則正しい食事やバランスの良い食事が摂れにくくなります。

 

それにより食物繊維や水分が不足し、腸の働きが低下し、排便リズムが乱れて便秘になることがあります。

 

また、つわりの気持ち悪さで食事量が少なくなってしまうと、作られる便の量も減ってしまうので、便意を感じにくくなり、便秘グセがついてしまうことも原因の1つです。

 

 

 

ホルモンの影響

 妊娠をすると、女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増えていきます。

 

プロゲステロンは、胎盤の形成や胎児の成長を促す働きをしますが、一方で子宮周辺にある消化器の蠕動運動(食べ物を胃から腸へ送り届けたり、便を肛門へと移動させたりすること)を抑える作用もあります。

 

そのため、ホルモンの影響を受けて便秘を引き起こすことがあります。

 

 

子宮が大きくなるため

妊娠に伴い子宮の大きさも変化していきます。

 

だんだん大きくなる子宮が腸を圧迫するようになり、その結果、腸の動きが制限されて便がとどまりやすくなるため、便秘につながります。

 

 

 

運動不足

 妊娠初期のつわりや、妊娠後期は大きくなったお腹が負担になることで、妊娠中は運動量が減ってしまいがちに。

 

運動不足になると、便を押し出す腸の働きが低下してしまいます。

 

産婦人科診療ガイドラインには、妊娠中の好ましいスポーツとして、ウォーキング、フィットネスバイク、ダンス、柔軟運動、水中エクササイズ、水泳、ウェイトやバンドを使った筋力トレーニングなどが挙げられています。

 

体調と相談しながら有酸素運動を取り入れられると便秘解消につながります。

 

 

運動をする際の注意点

注意点として、

  • ・重篤な心疾患
  • ・呼吸器疾患
  • ・頸管無力症
  • ・持続する性器出血
  • ・前置胎盤、低置胎盤
  • ・切迫流産・早産
  • ・妊娠高血圧症候群

などがある場合は、妊娠中の運動は禁忌とされています。

 

その他にも、有酸素運動を行う際は、

  • ・長時間の仰向け
  • ・長時間の立位姿勢

は身体に負担がかかってしまう場合があるため、注意が必要です。

 

 

 

心理的な要因

 妊娠中は体調やホルモンバランスの変化だけでなく、出産や育児への不安など、精神的なストレスが増えやすい時期です。

 

ストレスにより自律神経が乱れ、大腸の働きが低下することも便秘につながります。

 

 

 

便秘薬について

腸活

妊娠中に医療機関で便秘の相談をした際に処方される薬は、酸化マグネシウムが一般的です。

 

しかし、

「便秘薬を処方してもらったけど飲まなきゃ出なくなってしまうのではないか?依存しないか心配で頻繁に飲めない」

とご相談いただくことがあります。

 

酸化マグネシウムは腸を直接刺激せず、便に水分を与えて柔らかくし、出しやすくする非刺激性で依存性も弱い薬です。

 

その他にも、胃の中で胃酸を中和する制酸作用もあり、胃もたれや胃痛などの症状も緩和してくれます。

 

 

 

薬の注意点

市販薬の中には、大腸を直接刺激して排便を促す種類の下剤もあります。

 

即効性があり効果が高い反面、子宮収縮を誘発してしまう可能性があるので、切迫流産などを起こす恐れがあります。

 

また、一部の漢方薬にも注意が必要です。

成分に「大黄」を含む場合、大量に摂取すると、子宮の収縮が促されてしまいます。

 

便秘薬は自己判断で市販薬を服用するのではなく、必ず医療機関に相談してから処方してもらいましょう。

 

 


その他の注意点

その他の注意についても説明していきます。

 

 

 

トイレで悩む女性

便秘が原因で痔になることは非常に多くあります。

 

硬い便を出す際に強くいきむことで肛門に負担がかかり、切れ痔(裂肛)やいぼ痔(痔核)などのトラブルも。

 

痔による排便時の痛みや、痛みがなくても拭いた時に血が付く場合は、医療機関で軟膏や座薬を処方してもらいましょう。

 

 

 

妊娠合併症との関係

便秘で腹痛やお腹の張り・圧迫感を感じることは非常に多くありますが、便秘による痛みだろうと思い放置した結果、切迫早産によるものや常位胎盤早期剥離だったという事例もあります。

 

「ただの便秘だから…」と症状を我慢したり自己判断したりせずに、早めに医療機関に相談することが早期発見につながります。

 

 


 妊娠中の便秘の改善方法

 便秘の改善方法について、順番に解説していきます。

 

水分を取る

便秘対策で大切なのは、まずは水分補給を十分に行うこと。

 

1日に必要な水分摂取量は、体重 1kgあたり3035mlであり、体重50kgであれば15001750mlとなります。

 

汗をかく夏場や、食事量で変動しますが、持病があって制限されていなければ、水分は積極的に摂りましょう。

 

 

 

腸の動きをよくする食べ物を摂る

焼き芋

便秘対策として食生活を見直し、食物繊維を積極的に摂ることも大事なポイントです。

 

食物繊維は便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下や後述の善玉菌のえさになり腸内の善玉菌を増やしてくれる効果もあります。

 

魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれず、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、海藻類などに多く含まれています。

 

食品で見ると

  • ・そば
  • ・ライ麦パン
  • ・しらたき
  • ・さつまいも
  • ・切り干し大根
  • ・かぼちゃ
  • ・ごぼう
  • ・たけのこ
  • ・ブロッコリー
  • ・モロヘイヤ
  • ・糸引き納豆
  • ・いんげん豆
  • ・あずき
  • ・おから
  • ・しいたけ
  • ・ひじき

などは、1食あたり摂取する量の中に食物繊維が23gも含まれていますので、毎日の食事の中に取り入れることで、効率的に摂取できます。

 

ただし、海藻類はヨードを含むため、妊娠中は必要以上に食べないようにしましょう。

 

 

 

善玉菌は効果的?

バランスの取れた食事

腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌の大きく分けて3つのグループで構成されています。

 

中でも善玉菌は、乳酸菌やビフィズス菌に代表される菌で、消化吸収の促進や感染予防・ビタミン合成等などを担っています。

 

しかし、食生活の乱れや運動不足、ストレスで腸内細菌のバランスが崩れると便秘になってしまいます。

 

そのため、ヨーグルトや乳酸菌・納豆・みそ・ぬか漬け・発酵食品などの善玉菌の入った食品を摂ることで腸内環境が整い、便秘の改善につながります。

 

ただし、発酵食品は塩分が高い食材も多いので、妊娠中は摂りすぎに注意が必要です。


 

 

リズムをつける

毎日一定のタイミングでトイレに行き、排便リズムをつけるのも便秘対策におすすめです。

 

特に朝食後は、胃の中に食べ物が入ってくると刺激を受けて大腸が蠕動運動を起こし、便をS字結腸から直腸へ送り出してくれます。

 

 

 

適度な運動

 妊娠中の過度な運動は禁物ですが、ウォーキングやストレッチなどの軽めの運動を無理のない範囲で行うことで、腸の蠕動運動を促す効果が期待できます。

 

 

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鍼灸による便秘の改善方法

もぐさ

鍼灸治療は、自律神経に作用して腸の蠕動運動を促し、胃腸の調子を整えます。

 

そのため、慢性便秘やそれに伴う不快感(残便感、お腹の張り・痛み)の改善が期待出来ます。

 

 

便秘に対する鍼灸の効果

便秘に対する研究はいくつかされています。

 

Electroacupuncture for Women with Chronic Severe Functional Constipation: Subgroup Analysis of a Randomized Controlled Trial

出典 | World J Gastroenterol. 2019;25(27):33603371PMCに全文)|  https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6348848/

 

こちらの論文には、慢性重症機能性便秘患者1,075名のうち、822名の女性患者を対象にランダムに割り当て(鍼群:415人、偽鍼群:407人)、8週間にわたって28回の鍼治療・偽鍼による治療をおこなったという研究です。

 

ツボは天枢・腹結・上巨虚を用いて、鍼治療(皮膚を貫通しない偽鍼群にも同様の頻度で施行)をしたところ、鍼群は、8 週間の治療中に自発排便回数や便の硬さ、QOLが改善し、治療中止後も12 週間効果が持続したとあります。

 

そのため、鍼治療が慢性便秘患者の毎週の自発排便を増加させ、便秘症状を軽減し、生活の質を改善する可能性があることを示唆しています。

 

 

以上のことから、鍼灸は便秘を改善する効果が期待できます。

 

 

 

東洋医学と便秘

『黄帝内経素問・霊枢』(中国最古の医学古典で、体質・臓腑・経絡などを論じた書物)に、「便秘」と関連する記載がある篇をご紹介します。

 

『素問』挙痛論篇 第三十九 
寒気 小腸に客すれば、小腸 成することを得ず。故に後泄して腹痛む。熱気 小腸に留れば、腸中痛み、タン熱焦渇し、則ち堅く乾きて出づることを得ず。故に痛みて閉し通ぜず。

 

[現代語訳]

寒気が小腸に侵入すれば、小腸は水穀の気を受盛することができず、このために下痢して腹痛を生じます。もし熱気が小腸に留れば、腸の中も痛み、同時に発熱や消渇も出現し、大便は硬く乾燥して排出することができなくなるため、痛みと同時に大便が秘結します。

 

熱が小腸に留まることで大便は硬く乾燥して排出することができなくなり、痛みと同時に便秘になるとあります。

 

 

『霊枢』五邪篇 第二十 
邪腎に在れば、則ち骨痛み、陰痺を病む。陰痺なる者は、これを接ずるも得ず、腹張り、腰痛み、大便難く、肩・背・頸・項痛み、時に眩す。これを湧泉・崑崙に取り、血ある者を視れば、尽くこれを取る。

 

[現代語訳]

病邪が腎を侵すと、骨痛、陰痺が発生する。陰痺とは、身体の表面を接じても所在が判らず、腹脹・腰痛・便秘、肩・背・頸・項などの痛みがあり、常にめまいを訴えるなどの諸症状の見られる病証である。治療は、湧泉・崑崙穴に取穴する。瘀血があれば、すべて瀉血する。

 

腎が邪(病気を起こす原因となるもの。暑さや寒さなど)の影響を受けると、骨の痛みの他に、腹脹・腰痛・便秘になるとあります。

 

『霊枢』脹論篇 
腎脹なる者は、腹満ちて背に引き央央然たり、腰髀痛む。六府の脹。胃脹なる者は、腹満ち、胃脘痛み、鼻 焦臭を聞き、食を妨げ、大便難し。

 

[現代語訳]

腎脹の症状は、腹部が膨満し、背部まで及んで不快であり、腰や大腿の部分が痛みます。六府脹について述べますと、胃の症状は、腹部が膨満し、胃院〔心下部〕が痛み、鼻中に焦げ臭さを感じ、飲食を妨げ、便秘になります。

 

胃の気の流れが滞ると、お腹の張り・みぞおちの痛み・食欲不振・便秘になるとあります。

 

 

小腸や腎、胃の働きが低下することで、便秘になると記載がみられます。

 



便秘のメカニズム

食事を摂ると飲食物(水穀)は、

  • ・胃→小腸→膀胱を通り、尿として体の外に排出される
  • ・胃→小腸→大腸を通り、便として体の外に排出される

 

 

この伝道が順調に行われないときに、下痢や便秘になります。

 

 

伝導が順調に行われない要因として、

 

  • ・脾は胃と協力して飲食物を消化・吸収し、栄養や水分を運搬するが、働きが低下すると運搬がうまくいかず便秘になる
  • ・腎や肝の働きが低下することで、脾胃の運化がうまくいかず、飲食物や余分な水分が停滞し、便が体外への排出できない
  • ・肺の機能低下やエネルギー不足により、津液(身体を潤す水)が運ばれず、大腸の水分不足を招き、腸の動きを低下させる

 

などがあります。

 

それにより、

  • ・臓腑の働きの低下や食べ過ぎなどが原因で、腸に熱が多くなり水分が不足する
  • ・津液(身体を潤す水)が不足して発生した熱が腸に影響を与えて便が硬くなる
  • ・肺の機能低下やエネルギー不足により、津液(身体を潤す水)が運ばれず、大腸の水分不足を招き、腸の動きを低下させる
  • ・腸に冷えが多いと下痢することが多いが、冷えて小便自利(排尿の回数が増加)すると、腸の水分が無くなる

  • ・瘀血(血に熱が加わり、同時に津液が不足する)があることで腸のめぐりが滞る

 

 

上記の状態になることで、便秘になります。

 

 

 

妊娠中に起こりやすい具体的な便秘のメカニズム

胃の(津液)水分が不足し、それによって生じる熱症状

メカニズム:体の水分が不足して、腸内が乾いて便が固まる。熱が引くとやわらかい便が出ることも。


原因:熱病の後、慢性病、辛熱の過食、長期の嘔吐、下剤、思慮過多などで胃の陰が消耗


他の症状:口や喉の渇き、空腹感があるがあまり食べられない。胃のあたりの不快感

 



肝の血や水分が消耗して起こる熱

メカニズム:潤い不足(陰・血の不足)+のぼせやイライラで、体が乾きやすくなり兎糞状等の硬い便に。


原因:長期のストレス、慢性病、出血、加齢などで肝を潤す水分が減るため


他の症状:目の乾燥・かすみ、めまい、耳鳴り、いらつき、不眠、手足のほてり、頬ののぼせ、寝汗(寝汗)等。

 



胃腸が弱っていると同時にストレス等で熱がこもる

メカニズム:胃腸が弱りがちなところにストレスや寝不足、偏食が重なると、乾燥が固定化して便がずっと硬いままになりやすい。


原因:飲食がしっかり摂れない、過労、思慮過多などで消化力低下・水が停滞したところ、ストレスなどでウツウツと熱がこもる


他の症状:食欲低下、食後の膨満、頭痛等

 

 


感情やストレスによって熱を持つ

メカニズム:痔・肛門痛を併発しがちで、妊娠後期〜産後に目立つことがあります。妊娠全体でも肛門周囲の症状が増えやすいことが報告されています。


原因:怒りや抑うつ(気分が沈む、意欲低下)で熱を持ち、胃腸に影響。


他の症状:いらつき、怒りっぽい、目の充血・痛み、口苦、口が渇く、耳鳴り、めまい等

 



セルフケアでおすすめのツボ~便秘の特効穴~

【神門(しんもん)】 手の少陰心経

神門

〔部位〕掌後鋭骨の端、陥なる者の中に在り

 



【足三里(あしさんり)】 足の陽明胃経 

足三里

〔部位〕膝眼の下三寸、䯒骨の外、大筋の内宛々たる中に在り。足を挙げて之を取る。極めて重く之を

按すときは、 上の動脈止む

 



【上巨虚(じょうこきょ)】 足の陽明胃経

上巨虚

〔部位〕三里の下三寸に在り。足を挙げて之を取る

 


 

 

ご自宅での1日1回セルフお灸をすることで、効果的にツボを刺激し、便秘改善につながります。

 

 

 

妊娠前から続く便秘が定期的な鍼灸治療により改善し、妊娠後の便秘予防につながった事例

妊娠前から酷い便秘に悩ませされていたAさん。

 

酷い時は1週間便が出ないことがあるため、日常的に海外の刺激の強いサプリを飲んで症状を和らげていました。

 

便秘の時は決まって全身に浮腫も出ていいて、脈を診ると「滑脈(かつみゃく)」という水が停滞しやすい脈が表れていました。

 

お腹を触るとお臍の周辺(とくに下腹部あたり)が冷たく硬くなっている状態。



身体の余分な水分が腸に停滞して蓄積することで、冷えて血行が悪くなり、腸の動きを妨げていると考えました。


 

そのため、まずは根本の原因である冷えをとるツボにアプローチしていきました。



冷えが減り、熱が増えることで腸の働きが活発になり、水分の代謝も上がっていきます。



ご自宅でも冷え対策として、積極的にお灸を始めとしたセルフケアをしていただきました。

 

続けていくうちに、感じていたお腹や足回りの冷えがいつの間にか気にならなくなったとお話しいただきました。

そして、

 

  • ・鍼灸の翌日の朝は、今までなかった「出したい」という感覚がある
  • ・便秘の頻度も1週間に1回だったのが、23日に1→12日に1回に出るようになった

 

と変化が。

 

 

その後、通い始めて8ヶ月頃におこなった胚盤胞の移植で無事着床し、現在妊娠中ですがお身体の状態も整っていたことにより、通い始めの時のように強い薬に頼らなくても便秘に悩まれる頻度はぐっと減りました。

 

 

 

まとめ

 妊娠中はプロゲステロンの増加により消化管の蠕動が低下し、更に成長する子宮が腸を圧迫するため、物理的に便の通過が悪くなってしまいます。

 

つわりで食事量や水分・食物繊維が不足することで便の量が減ることによる排便リズムが乱れや、運動不足・心理的ストレスなども便秘を悪化させてしまいます。

 

また、東洋医学的な視点では、熱・冷え・津液不足が関わることで腸の働きが低下し、便秘になるとあります。

 

改善のためには、まず生活習慣(水分、食物繊維、排便リズムを整える、適度な運動)の見直しや、ご自宅でのセルフケアとして、お灸をおこなうこともおすすめです。

 

強いいきみや放置による二次的合併(痔・腹痛の見逃しなど)に注意し、安全な薬(酸化マグネシウム等)や鍼灸治療も用いることで改善しやすくなります。

 

自己判断での放置は避け、早めに生活改善や医療機関に相談をすることが重要です。

 



参考文献

『現代語訳黄帝内経素問』東洋学術出版社

『現代語訳黄帝内経霊枢』東洋学術出版社

『日本鍼灸医学(経路治療・臨床編)』経絡治療学会p.453-467

池田政一著『臨床家のための病症別伝統鍼灸治療法』p.295-297

代田文誌著 澤田健先生校訂 『鍼灸治療基礎学 十四経絡図譜解説(改訂増補第七版)』医道の日本社p.111-113135-136

日本消化管学会『日本消化管学会編集による便通異常症診療ガイドライン2023』南江堂

Jing Zhou他 『Electroacupuncture for Women with Chronic Severe Functional Constipation: Subgroup Analysis of a Randomized Controlled TrialWorld J Gastroenterol. 2019;25(27):3360–3371 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6348848/ 2025918

高野正太『慢性便秘症に対する食事療法,運動療法,理学療法』日本大腸肛門病会誌77621-627.2019 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/72/10/72_621/_pdf  2025918

清水純『食物繊維の必要性と健康』厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001  2025918

日本産科婦人科学会ウェブサイト『産婦人科診療ガイドライン産科編2023』  https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf | 2025918


初出:2025年9月20日

 

この記事の著作者

鍼灸師 嶋田 香純

「東京漢方鍼医会」会員
より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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