不妊治療中のカフェインは摂っていい?どれくらい大丈夫?|不妊鍼灸・妊活鍼灸の【そあら鍼灸院】東京新宿区

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妊活お役立ちコラム

2026/10/05

おうち妊活

不妊治療中のカフェインは摂っていい?どれくらい大丈夫?

当院に通われている患者様に「妊活のために意識していることは何ですか?」

と聞くと「カフェインを控えています」と答える方が大勢いらっしゃいます。

カフェインを含むコーヒーや紅茶は習慣となって嗜む方も多いでしょう。

では妊娠を希望しているならば完全にカフェインは断ち切った方がいいのでしょうか?

今回はカフェインが身体に与える影響、摂取量の目安、医学的な根拠や公的機関のガイドラインに基づいた情報、そして症例などを紹介していきます。

  1. 1.妊活中はカフェインを完全にやめる必要がある?
  2. 2.カフェインが妊活に与える具体的な影響
  3. 3. 妊活中のカフェイン摂取量の目安
  4. 4. 妊活中にカフェインを減らしたい時の飲み物
  5. 5.男性もカフェインを控えた方がいい?
  6. 6.エナジードリンク依存だった著者
  7. 7.エナジードリンクを片手に初診を受けられた患者様
  8. 8.まとめ




妊活中はカフェインを完全にやめる必要がある?

妊娠中にカフェインを一切絶つ方が多いためか、妊活中もカフェインを控える方が大勢いらっしゃいます。

様々な情報が飛び交っていますが、そもそも妊活中のカフェインはどのように考えればいいのでしょうか?

そして妊活中はカフェインを0にした方いいのでしょうか?


完全に断つ必要はない

結論から言うと妊活中であってもカフェインを完全に禁止する必要はありません。

もちろんカフェインにデメリットはあります。

しかし、カフェインを含んだ飲み物、食べ物は毎日の習慣になっている方も多数。

そうすると禁止した時のストレスが強く、制限した反動でかえって過剰摂取する恐れもあります。

お好きなコーヒーや紅茶が日々の癒しやストレス発散の役割を担っているのならばカフェイン禁止はお勧めできません。

カフェインの性質を理解し、身体の負担にならない範囲で楽しむことが大切になります。


カフェインに対して医学的見解

では日本の公的機関は妊活中のカフェイン摂取についてどのように考えているのでしょうか?

米国生殖医学会(ASRM)では以下のように発表しています。

カフェイン摂取量(500mg;1日あたり>5杯コーヒーまたは同等量)は生殖能力低下と関連しています。1)

また米国産婦人科学会(ACOG)は以下のように述べています。

中程度のカフェイン摂取(1日200mg未満)は流産や早産の主な要因とは見なされていません。2)

厚生労働省からの見解は以下の通りです。

同様に、カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。3)

これらを見るとカフェインは上限を決めれば妊娠を直接的に阻害するものではないと考えられます。

確かにカフェインは中枢神経を興奮させ、過剰摂取は身体に負担をかけるもの。

しかしカフェイン量が多すぎなければ肝臓で代謝されて体外に排出するために生殖機能に大きなダメージを与えるものではありません。

むしろコーヒーに含まれるポリフェノールは細胞の老化を防ぐ効果もあります。

適切な量で嗜好品を適度に楽しむことはストレスを少しでも減らして妊活を続ける大切な視点です。


カフェインが妊活に与える具体的な影響

妊活に影響を及ぼすカフェイン

適度に嗜好品として嗜む程度なら問題ないとはいえ、カフェインがとのように身体に作用するか把握することで妊活の体調管理がしやすくなります。

ではカフェインを過剰摂取した場合はどうなるのでしょうか?

以下の作用があります。

・血管収縮による冷え
・睡眠の質の低下とホルモンの乱れ
・鉄分や亜鉛など必須栄養素の吸収阻害


 血管収縮による冷えの発生

カフェインは血管収縮作用があります。

カフェインを摂取すると交感神経が刺激されノルアドレナリンという末梢血管を収縮させる働きのある神経伝達物質が分泌されます。

そうすると手足末端や内臓への血流が低下し、妊活にとって大切な卵巣や血流も低下してしまいます。

その上、アイスコーヒーやエナジードリンクなどの冷たい飲み物をとると冷えは更に悪化してしまいます。


睡眠の質の低下とホルモンバランスの乱れ

眠気覚ましにコーヒーを飲んでスッキリした経験した方もいるかと思います。

これはカフェインには強い覚醒作用があるため。

朝早くにカフェインを飲むならまだしも、夕方以降にカフェインを摂取すると睡眠の質が低下します。

人の身体は疲労を感じると睡眠を促すアデノシンという物質が分泌されます。

カフェインはアデノシンの働きを阻害させて眠気を感じさせなくなる作用が。

その結果、睡眠の質が浅くなり、細胞の修復や疲労回復を促す成長ホルモン、抗酸化作用があるメラトニンが分泌されにくくなります。

また、睡眠不足は自律神経の乱れ、免疫力の低下を引き起こしてしまうため妊活には大敵です。

良質な睡眠は妊活だけでなく、お身体全体の管理のために必須といえます。

メラトニンについてこちらで詳しく解説しています。



 鉄分や亜鉛など必須栄養素の吸収阻害

鉄分や亜鉛は妊活において大切な栄養素です。

鉄分は全身の酸素を運ぶ赤血球の材料となるだけでなく、子宮内膜に粘膜を作って厚くさせます。

厚い内膜を作り、卵子に栄養を送るためにも鉄分は重要な役割を果たします。

一方、亜鉛は男性にも女性にも大切な栄養素です。

女性の観点では細胞分裂を促し、エストロゲンやプロゲステロンの分泌を正常に保つ働きがあります。

男性の視点では、精子を作るために欠かせないもの。

この妊活に大切な栄養素である鉄分と亜鉛の吸収をカフェインは阻害してしまいます。

せめて食後すぐにカフェインが含まれる飲み物をとることは避けて食後1~2時間開けてから飲まれることをお勧めします。

銅と亜鉛についてこちらで解説しています。




妊活中のカフェイン摂取量の目安

カフェインの過剰摂取が体に悪影響を及ぼすことを上記で解説しました。

ではどれくらいカフェインを摂取していいのでしょうか?

世界的な公的機関の定めている基準を紹介します。


世界保健機関や各国の基準値

妊活中から妊娠中まで、カフェインの摂取量は世界中で多くの公的機関で発表されています。

・世界保健機関(WHO) 300mg
・英国食品基準庁(FSA) 200mg
・カナダ保健省(HC)  300mg

なお、厚生労働省からは正式な上限は設定されていませんが、上記の国際機関の基準を参考に提示しています。

そう考えると妊活中の女性は1日のカフェイン摂取量の上限は200~300mgと設定が推奨されます。


 一日あたりの具体的な上限量

上記で1日あたりのカフェイン摂取量の上限を200~300mgと解説しています。

では普段飲んでいるコーヒーや紅茶は1杯あたりどれくらいの量のカフェインが含まれているのでしょうか?

ドリップコーヒー(150ml) 90mg
紅茶      (150ml) 45mg
ウーロン茶   (150ml) 30mg
抹茶      (150ml) 90mg
玉露      (150ml) 240mg
高カカオチョコ (25g)  20mg


これらは一般的な目安であり、コーヒー豆の焙煎の度合い、抽出時間、入れ方によってカフェインの含有量は変わっていきます。

また、カフェインの代謝能力には個人差があるので、自身の体調や睡眠の質と注視しながら少し上限に余裕を持たせて嗜むことがお勧めです。


妊活中にカフェインを減らしたい時の飲み物

ではカフェインを減らしたい時はどのようの飲み物を選べばいいのでしょうか?
 
麦茶やハーブティーなどを選ぶことも1つですが、好みが合うデカフェなどを探すことをお勧めします。

日常的にカフェインが含まれている飲料を摂取している方はカフェイン摂取を目的としているのではなく、その飲み物を好んで飲まれている方もいいのではないでしょうか?
 
別の飲み物を選ぶよりも好みのデカフェなど探されてはいかがでしょうか?
 
エナジードリンクの代用品を探している場合は炭酸水をお勧めします。
 
シュワシュワした感覚がエナジードリンクと似ているため気が紛れやすいです。
 
 

男性もカフェインを控えた方がいい?

妊活は女性だけの問題ではなく、夫婦で取り組むものです。
 
では妊活中は男性もカフェインを控えた方かいいのでしょうか?
 
カフェインが男性の生殖機能に影響すること示唆されている研究もでてきました。
 
過剰なカフェイン摂取は精子のDNA損傷を与えると考えられる上、交感神経を過度に刺激して強いストレス状態を引き起こすことに。
 
慢性的なストレスは男性ホルモンであるテストステロン低下、生殖機能の低下と関連が報告されています。
 
精子の形成にかかる期間はおよそ74日。
 
今日の生活習慣が今後の精子の質に関わるので、カフェインだけにとどまらず睡眠・食事・禁煙など生活習慣全体の改善が基本となります。

男性妊活鍼灸についてはこちらで解説しています。

 

エナジードリンク依存だった著者

カフェイン中毒だった著者
ここからは実例を交えて紹介します。

著者は以前、毎日エナジードリンクを飲みながら仕事をしていました。

重い体はシャキッとするし、眠気もとれる。

そのため仕事をしている間、エナジードリンクは必須でした。

1本のエナジードリンクのカフェイン量は100〜150mg。

当時、カフェインは300mg以下に抑えようとは思っていたので1日1〜2本だったら大丈夫と特に問題視していませんでした。

しかし私が人工授精にステップアップする際、周りのスタッフから
「楠本さん、ステップアップするならエナジードリンクはやめましょう!!」

嫌々ながらエナジードリンクをやめるとビックリ。

体が重くて眠くて仕方がありません。

エナジードリンク無しで仕事するなんて無理!!と嘆いていましたが、やめてから気付いた事があります。

そもそもエナジードリンク無しでは仕事が出来ないぐらい体が疲れているならば妊娠なんてできない。

今の自分に必要なのはエナジードリンクではなく、体のケア。

手軽に体が元気になれたのでカフェインと糖分がたっぷりなエナジードリンクに依存していましたが、体のケアさえすればエナジードリンクはいらないのです。

私はエナジードリンクから炭酸水に代え、生活習慣を改善する事で依存状態から脱出する事ができました。


エナジードリンクを片手に初診を受けられた患者様

私がエナジードリンク依存から抜け出すことが出来た頃、ある患者様の初診を担当させていただきました。

2人目不妊に悩んで当院に来院されましたが、右手にエナジードリンクを持って来院。

「これがないと体がもちません!」
どこかで聞いた事のあるセリフです。

私は患者様に
「妊娠はもう1つの命を体内に養うこと。命を養うためには自分の体に余力が必要です。でも○○さんは余力どころか、自分のエネルギーすら足りていない状態です。エナジードリンク無しでも生活できるような体にしていきましょう。」

私自身の経験を交えつつ話しました。

鍼灸治療を受けると体調が整い、私のような苦労もなくエナジードリンクをあっさりとやめられました。

その後すぐ妊娠し、いかに自分の体をごまかしながら生活していたか気付かれていました。


まとめ

妊活中はカフェインを一切とってはいけない」なんてことはありません。

特に毎日の習慣となっている人はカフェインをとる時間が大切という方もいると思います。

ただしカフェインを摂ることで自分の体のSOSに見逃さないように注意する必要があります。

カフェインの疲労回復効果には頼り過ぎないようにして、毎日の生活習慣を整えて妊活に向けてのお身体作りができたらと思います。



参考文献
(1)Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine,Practice Committee of the Society for Reproductive Endocrinology and Infertility.Optimizing natural fertility: a committee opinion.Fertil Steril.2022;117(1):53–63.doi:10.1016/j.fertnstert.2021.10.007.
https://www.asrm.org/practice-guidance/practice-committee-documents/optimizing-natural-fertility-a-committee-opinion-2021/?utm_source=chatgpt.co
(2)American College of Obstetricians and Gynecologists.ACOG Committee Opinion No. 762: Prepregnancy Counseling.Obstet Gynecol.2019;133(1):e78–e89.doi:10.1097/AOG.0000000000003013.
https://www.acog.org/clinical/clinical-guidance/committee-opinion/articles/2019/01/prepregnancy-counseling
(3)厚生労働省.食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~.(Webページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html


初出    2022年10月1日
加筆修正  2026年10月5日 


この記事の著作者

鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 楠本 敦子

「東京漢方鍼医会」会員

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。




この記事の著作者

院長 鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 松本 敏樹

経歴
  • 2011年
    認定不妊カウンセラー取得
    新宿に開業
  • 2014年
    現在地へ移転
    漢方鍼医会 入門部講師 就任
  • 2016年
    漢方鍼医会 理事 就任
    研修部講師 就任
    東京漢方鍼医会 学術部部長 就任
  • 2018年
    東京漢方鍼医会 代表 就任 現在に至る
  • 2022年
より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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