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妊活お役立ちコラム

2026/05/01

おうち妊活

妊活中の運動はどこまでOK?妊娠しやすい身体づくりに役立つ運動と注意点

 妊活のために良いと信じて、忙しい合間を縫って筋トレを続けているのに、翌朝身体が重く感じる。
さらに毎日欠かさずウォーキングをしているのに、少し息が上がったりお腹に違和感が出るたびに、「やりすぎて逆効果だったのでは」と不安になり、頑張ったはずの自分を責めてしまう…

妊活中は、良かれと思って取り入れたことほど、少しの身体の変化も気になりやすいと思います。


運動そのものが悪いわけではありません。
大切なのは、今の身体の状態や生理周期に合わせて、無理のない範囲で取り入れることです。
 

妊活を意識し始めた時に、食事と睡眠の改善と共に、運動を取りいれようと考える方は多くいらっしゃいます。
妊娠しやすい身体づくりには、適度な運動をすることが良い効果をもらたすサポートとなり、また精神面の安定にも良いと言われています。

一方で、ハードな運動は負担が高くなってしまうなど、正しい知識を持たずに始めてしまうと逆効果になる可能性もあります。
 

本記事では、妊活における運動のメリット、どれくらい激しい運動は控えたほうがいいのか、おすすめの運動強度、おすすめのメニューや生理周期に合わせた取り入れ方まで詳しく解説していきます。

    もくじ

 


妊活中には避けるべき運動と注意点

運動は妊活にとって多くのメリットをもたらしてくれますがやり方を間違えると逆効果になる可能性があります。

こんな論文があります。
 
結論:妊娠前の身体活動(PA)と妊娠率との関連を、運動の強度および量に基づいて調査しました。このメタ分析には、11件の前向きコホート研究が含まれました。中等度のPAの任意の量は、PAがない患者と比較して統計的に高い妊娠率と関連していました。(1)

結論:この系統的レビューでは、極端に重い運動(1日60分超など)では無排卵リスク増加が示される一方、30〜60分/日の高強度運動はむしろリスク低下と関連するデータもありました。(2)
 
運動は妊活に役立つ一方で、強度が高すぎると排卵に影響したり、妊娠しやすさにマイナスに働く可能性もあるため、やりすぎには注意が必要です。  

心地よい疲労感で終わる程度を心がけることが大切です。  


過度な運動は身体に強いストレスを与え、ホルモンバランスを崩す原因となります。
より具体的にここでは妊活中に避けるべき運動とその理由について詳しく解説します。
 

激しい無酸素運動による身体への負担

息を止めて強い負荷がかかるような激しい無酸素運動は妊活中の身体に負担が大きすぎるため、控える必要があります。

例えば、高重量のウエイトトレーニングや全力疾走などは体内の酸素を急激に消費し、筋肉に強い負荷をかけます。
このような強度の高い運動を行うと身体はそれを非常事態と認識し、生命維持に必要な器官へ優先的に血液やエネルギーを回すようになります。
その結果、生殖器官への血流が後回しにされ卵巣や子宮の機能が低下する恐れがあります。
 

また激しい無酸素運動は体内に「活性酸素」を大量に発生させる原因となります。
活性酸素は細胞を酸化させ老化を促す物質であり、卵子や精子の質を低下させる要因となります。

適度な運動であれば体内の抗酸化作用によって活性酸素は除去されるため問題ありません。
しかし、過度な運動によって活性酸素の量が増えてしまうと生殖細胞に深刻なダメージを与える可能性があります。

妊活中は身体に過度な負担をかける運動は避け、リラックスして行える運動を選ぶことが大切です。
 

筋肉痛が何日も残るような強い運動も、妊活中は控えたほうがいいです。
それは身体が回復するために多くのエネルギーや栄養が必要になるため、疲労が抜けにくくなり、コンディションを整えられなくなる可能性があるからです。

運動後の疲労感が心地よい程度にとどまる強度が妊活には最適となります。

長時間の運動による過度な疲労

フルマラソンのような長時間の激しい運動は、体内のエネルギーを消耗させ、さらに疲労を蓄積させてしまいます。
過度な疲労状態が続くと自律神経のバランスが崩れ、ホルモンがスムーズに分泌されにくくなる可能性があります。

特に女性ホルモンの分泌を司る脳の視床下部は、ストレスや疲労に対しとても敏感です。
長時間の運動による身体的ストレスが視床下部に伝わると、排卵を促す指令が正常に分泌されなくなり月経不順や無排卵を引き起こすリスクが高まります。
 

強度の高いトレーニングを続けている女性アスリートでは、月経不順や無月経となるケースが少なくありません。
これは、運動による消費エネルギーに対して食事からの補給が追いつかず、身体が慢性的なエネルギー不足の状態になることが要因の一つです。
こうした状態では、排卵や月経に関わる働きが乱れやすくなります。

妊活中は限界まで追い込むような運動ではなく、適度な疲労感で終わる無理のない運動を心がけることが大切です。
 

運動を行う頻度についても注意が必要です。
毎日休みなく数時間の運動を続けると疲労が抜けきらず、慢性的なストレス状態となってしまう場合もあります。

週に数日は運動をお休みする日を設け、身体をしっかりと回復させることが重要です。
運動と休養のバランスを適切に保つことが妊娠しやすい身体づくりの鍵となります。

運動時のこまめな水分と体温管理

運動を行う際には水分補給と体温管理がとても重要です。

運動によって汗をかくと体内の水分やミネラルが失われます。
水分不足は血液をドロドロにし、血流を悪化させる原因となります。
血流が悪くなると卵巣や子宮への栄養供給が滞るだけでなく、疲労物質が体内に蓄積しやすくもなります。

運動する前や最中、運動後とこまめな水分補給を心がけ脱水症状を防ぐことが妊活中の運動において非常に重要です。


水分補給には常温の水やノンカフェインの麦茶などが適しています。
冷たすぎる飲み物は内臓を冷やし胃腸の働きを低下させる恐れがあるため避けるのが無難です。

また糖分が多く含まれるスポーツドリンクやジュースの過剰摂取は、血糖値の急上昇を招きホルモンバランスに悪影響を与える可能性があるため、飲み過ぎには注意が必要です。

運動の強度や発汗量に合わせて適切な量の水分を摂取するように心がけましょう。

 
体温管理も妊活中の重要なポイントです。
運動後に汗をかいたまま放置すると汗が蒸発する際に体温を奪い、身体が冷えてしまいます。
冷えは血流を悪化させてしまうので、運動後は速やかに汗を拭き取り、着替えるようにしましょう。

また寒い季節に屋外で運動する場合はしっかりと防寒対策を行い、身体の芯まで冷えないように工夫することが大切です。
逆に暑い季節は熱中症に注意し涼しい時間帯や空調の効いた室内で運動を行うように意識しましょう。
 

妊活に運動が必要な理由と主なメリット

適度な運動が妊娠しやすい身体づくりに重要であることは広く知られていますが、実際にどのくらい関係しているのかは気になるところです。

そこで、身体活動と不妊リスクの関係について検討された研究をご紹介します。

 
708,965名の被験者と12,580例を対象とした6つのコホート研究と4つの症例対照研究が最終的にスクリーニングされたものです。
結論:中等度〜高い身体活動量は、不妊リスクの低下と関連していました。また国際的な運動ガイドラインを満たすことが不妊リスクを大幅に低減すると示唆。(3)
 
IVF/ICSI治療を受けている3,683組の不妊カップルを対象とした8件の公表された研究が分析に含まれました。
結論:IVF/ICSI前に運動習慣があった女性は、運動していなかった女性に比べて、臨床妊娠率と生児獲得率が高いと報告されました。 さらに、身体活動的な女性と身体活動的でない女性との間で流産率に有意な差は認められませんでした。(4)

これらの論文では、適度な運動習慣は、不妊リスクの低下と関連しており、不妊治療中であっても、無理のない範囲で身体を動かすことは、妊娠しやすい身体づくりにプラスに働く可能性があります。

頑張りすぎるよりも、無理なく続けられる中等度の運動習慣が大切なのかもしれません。


では、適度な運動はなぜ妊活に良い影響を与えるのでしょうか。
その理由として、主に次のような身体の変化が考えられます。

血流改善による卵巣や子宮への影響

運動により全身を動かすと、血流量が増加し全身の血流が流れやすくなります。
特に骨盤内には子宮や卵巣といった妊娠に関わる大事な臓器があつまっています。
 
卵巣に十分な血液が供給されると、卵胞の成熟に必要な酸素や栄養素がしっかりと届くようになります。
これにより質の高い卵子が育つ環境が整えられます。


また子宮への血流が改善されることで子宮内膜が十分に厚くなり、受精卵が着床しやすい状態を作り出すことができます。
 
さらに血流の改善は体内の老廃物をスムーズに排出する、デトックス効果ももたらします。
細胞の代謝が活発になることで卵子や精子の老化を防ぐ抗酸化作用も!!

自律神経の安定 

妊活において、自律神経の安定は重要なポイントになります。

自律神経が乱れるとホルモン分泌にも影響が出るため、卵胞の育ちや子宮環境に悪影響となってしまう可能性があります。
妊娠しやすい身体づくりにおいて、心身のリズムを整えることはとても重要です。

自律神経は仕事モードの「交感神経」、リラックスモードの「副交感神経」の2つのバランスとなります。
運動はその2つの神経がスムーズに切り替わる流れを作ってくれるのです。

基礎代謝up

冷え性は妊活の大敵と言われ、血流が滞っているサインでもあります。
運動によって筋肉量を増やし基礎代謝が上がれば、自分自身で熱を生み出せる身体となります。

それが冷え性の根本的な改善に繋がりやすくなります。

基礎代謝が上がると妊娠しやすい体質へと導く、大きな一歩となるのです。

ストレス軽減

妊活中は先の見えない不安や焦りからストレスがかかりやすい傾向があります。
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモン分泌に悪影響となってしまう可能性があります。

人はストレスを感じると自律神経の中の交感神経が優位になります。
この状態が長く続くと血管が収縮し血流が悪化するだけでなく、排卵を促すホルモンの分泌が阻害される可能性があります。

運動にはこの自律神経の乱れを整え、心身をリラックスさせる効果があるのです。

 
適度な運動を行うと脳内にセロトニンやエンドルフィンといった幸福感をもたらす神経伝達物質が分泌されます。
これらの物質は、ストレスを緩和し気分を前向きにする働きを持っています。

特に一定のリズムで身体を動かすウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、よりセロトニンの分泌を促す働きが高くなるためオススメです。

適正体重の維持とホルモンバランス 

厚生労働省も、妊娠前から適正体重を維持することを重要としています。
やせも肥満も妊娠・出産に影響しうるため、妊活中から体重管理を意識することが大切です。
 
厚生労働省の女性の健康週間関連コンテンツ「『プレコンセプションケア』をみんなの健康の新常識に」でも、18〜49歳女性の適正体重の範囲は BMI 18.5〜24.9 としています。(5)
 

こちらの記事ではBMIだけでなく体脂肪率と妊活についてまでを考察しています。

 
肥満や極端なやせは、どちらもホルモンバランスを崩し不妊の原因となる可能性があります。
 
体脂肪が多すぎると、脂肪組織がホルモンバランスや血糖の調整に影響しやすくなります。
その結果、排卵のリズムが乱れ、妊娠しにくさにつながることがあるのです。


逆に体脂肪が少なすぎると身体が飢餓状態と判断してしまい、生命維持を優先するため生殖機能が停止して生理が止まってしまう場合もあります。
 
運動は消費カロリーを増やし、適正体重を維持するための最も効果的な方法です。

有酸素運動によって脂肪を燃焼させるだけでなく、筋肉トレーニングを取り入れて基礎代謝を上げることで太りにくく痩せすぎない、健康的な身体を維持することができます。

妊娠後の合併症のリスクを減らす

適正体重を維持することは妊娠中の合併症リスクを減らすことにも繋がります。
妊娠前に健康的な体重を保つことで、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの発症リスクを抑えることができます。

妊活中の運動は妊娠しやすい身体づくりだけでなく、妊娠後や出産に向けた身体づくりの準備としてもとても重要となります。

妊活中にオススメな運動メニュー

妊活中の運動として推奨されているのが、少し心拍数の上がる「有酸素運動」や身体に過度な負担をかけない軽い「筋力トレーニング」です。

ここでは日常生活に取り入れやすい、おすすめの運動メニューを具体的に紹介します。

日常に取り入れやすい有酸素運動(ウォーキング)

ウォーキングは特別な道具や場所を考えず、誰でも手軽に始められる代表的な有酸素運動です。
歩くことで筋肉が使われ、特にふくらはぎのポンプ作用によって全身への血流が促進されます。

妊活中は一日あたり30分から1時間程度を目安にウォーキングを行うことがオススメです。

いつもより少し早歩きを意識して、軽く汗ばむ程度のペースを保つことで脂肪燃焼効果や心肺機能の向上が期待できます。
また歩幅を普段よりも少し広めにとることで骨盤周りの筋肉が刺激され、子宮や卵巣への血流が促されさらに効果的です。

 
通勤時に一駅分歩くようにしたり、買い物に歩いて行ったりするなど日常生活の中で歩く機会を増やす工夫をすると無理なく継続できるかもしれません。
 
さらに朝の時間帯にウォーキングを行うと太陽の光で体内時計がリセットされ、自律神経のバランスが整いやすくなるためよりオススメです。

心身がリラックスするストレッチ

妊活中は、不安や緊張から心も身体もこわばりやすくなります。そんなときに取り入れやすいのが、ヨガやストレッチです。
 
深い呼吸に合わせてゆっくり身体を動かすことで、副交感神経が優位になり心身がリラックス状態になります。
すると身体全身の筋緊張もやわらぎ、力が抜けやすくなります。

特に股関節や骨盤まわりを心地よく伸ばすことは、骨盤の歪みを整え子宮や卵巣へ血流が流れやすくなります。
 
難しいポーズを頑張る必要はありません。
朝や寝る前の数分間でも、呼吸を意識しながらやさしく身体を伸ばすだけでOKです。

それだけでも日々のストレスをこまめにリセットすることができます。


さらにパートナーと一緒にペアヨガや交互にサポートしながらストレッチを行うと、コミュニケーションを深めながら身体を緩められて一石二鳥です‼︎

基礎代謝を高める筋肉トレーニング(スクワット)

下半身には大きい筋肉が集中しているため、スクワットで下半身の筋肉を鍛えることは、基礎代謝の向上に直結します。
基礎代謝が上がると、体温が上がり冷え性の改善にもつながります。
冷えは妊活にとって大きな要因となるため、スクワットは非常に効果的な運動なのです。

また太ももやお尻の筋肉を動かすことで骨盤内の血流が促進され、子宮や卵巣の環境を整える効果も期待できます。

 
スクワットを行う際は、正しいフォームを身につけることで怪我を防ぎ、また効果を高める働きもしてくれます。

【やり方】
1.足を肩幅程度に開き、つま先を少し外側に向けます。
2.背筋を伸ばしたままお尻を後ろに引くようにしてゆっくりと膝を曲げていきます。
このとき膝がつま先より前に出ないように注意することがポイントです。
3.太ももが床と平行になるくらいまで下げたらゆっくりと元の姿勢に戻ります。
妊活中のオススメメニュー(スクワット)
呼吸を止めずに下げる時に息を吸い、上げる時に息を吐くように意識します。

 
初めは1日10回から15回を2〜3セット行う程度からスタートし、慣れてきたら徐々に回数を増やしていくと良いです‼︎


重いバーベルを担ぐような激しいスクワットは必要なく、自重で行う軽いスクワットで十分効きます。
家事の合間やテレビを見ている時間など、ちょっとした隙間時間を利用してスクワットを行うと無理なく続けられます。

生理周期に合わせた運動の取り入れ方

生理周期に合わせた運動メニュー
女性は生理周期によってホルモンバランスが大きく変わるため、その時期に合わせた運動量や種類を選ぶことが大切です。
無理をして体調を崩さないように、自分の身体の声に耳を傾けてながら、柔軟に対応していきましょう。

月経期から排卵まで

月経期は経血を排出するためにエネルギーを使っているため、人によっては貧血や腹痛など不調が出やすい時期となります。
この時期は無理に身体を動かすよりも、身体を休める必要があります。

そのため激しい運動は避けて、ストレッチや軽いヨガなど身体をリラックスさせる程度の運動がオススメです。
お腹周りを温めゆっくりと深呼吸をするだけでも、生理痛がやわらぎやすくなるため心身のリラックスにもつながります。


月経が終わると卵胞期となります。
この時期から女性ホルモンのエストロゲン分泌が増えていくため、心身ともに調子が上がりやすい時期です。
基礎体温も低温期、そして卵胞や子宮内膜が成長する時期なので、積極的に運動を取り入れていきましょう。

具体的には、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動の時間を少し長めにしたり、軽い筋力トレーニングを取り入れたりと新陳代謝を活発にしていくことがオススメです‼︎

卵胞期は気持ちも前向きになりやすいため、新しい運動に挑戦するのにも最適です。
パートナーと一緒にスポーツを楽しんだり、フィットネスの体験レッスンに参加してみたりとバリエーションを広げるのも良いでしょう。


しかし調子が良いからといって、無理は禁物です‼︎
程よい疲労感があるくらいの無理のない範囲で行っていきましょう。

排卵後から黄体期

排卵期から黄体期にかけては、妊娠の準備を整えるプロゲステロンというホルモン分泌が増加していきます。
この時期は基礎体温が高温期に入り、身体が水分を溜め込みやすくなるためむくみやだるさなどの症状が出やすくなります。

さらに精神面でも不安定でイライラや気分の落ち込みを感じやすくなる時期でもあります。

このような時期は激しい運動は控え、ウォーキングやストレッチなどのゆったりとした運動が推奨されます。
特に受精卵が着床する時期(排卵から5〜7日後)には、ジャンプを繰り返す運動や高重量の筋肉トレーニングは子宮周りに負担がかかる可能性があるためお休みしましょう。

かわりに骨盤周りの血流をやさしく促すようなストレッチや散歩程度の軽いウォーキングを取り入れるのが理想的です。
身体を温かく保ち、かつリラックスして過ごすことが着床をサポートするために重要なのです。


黄体期はプロゲステロンの影響で便秘になりやすい時期でもあります。
適度な運動は腸の蠕動運動も促し、便秘解消に役立ちます。

骨盤まわりや体幹をやさしく動かすヨガのポーズや腹式呼吸を取り入れることで、腸の動きをサポートし、お腹まわりの緊張をやわらげてくれます。
生理周期ごとの体調の変化には個人差があるため、ご自身の身体の状態を日々観察し、その日の体調に合わせて運動の内容を柔軟に調整していくことが大切です。
 
こちらの記事では、着床期後の過ごし方について一般的に言われていることから、妊活に専門的に関わってきた東洋医学的な見地から網羅的に解説しています。

運動を無理なく続けるためのコツ

妊活のための運動は数日だけでなく、長期的に継続することが大事です。
そうは言っても仕事や家事に追われる中で、運動の習慣を継続するのは簡単ではありません。

ここでは無理なく継続できる具体的な方法をお伝えします。

日常生活の隙間時間を活用する

まとまった時間を確保するのが難しい場合は、日常生活の隙間時間を上手に活用しながら、運動量を増やす工夫が大事です。

例えば歯磨きをしながらかかとを上げ下げしたり、コマーシャルの時間だけスクワットをしたり…
日々の生活する中に少し運動を取り組むことで、無理なく運動量を確保することができます。

他にも移動時間を運動に変換する方法があります。
出勤時に階段を使う
いつもならのってしまうエレベータやエスカレーター。
これらを使わずに階段を使うことで、下半身の筋肉を使うことができます。

また通勤や買い物の際、一つ手前の駅で降りて歩く距離を増やしたり、少し遠回りをして帰ったりすることで自然と歩数も増やせます。
これは特別な準備も必要ないので、継続しやすいアプローチ方法かもしれません。

 
また家事を行う際にも意識を変えることで、運動に変わったりします。

  • ・掃除機をかける際に爪先立ちをする
  • ・窓拭きをする際に大きく手を動かす
  • ・料理を作る際、お腹に力を入れ体幹トレーニング
意識を変えるだけでも筋肉を使い運動となるのです。
一つ一つの運動が短くても、積み重ねることで確実な効果を生み出しやすくなります‼︎

パートナーと一緒に取り組んでみる

ご主人と一緒にウォーキング
妊活は一人で抱えてこむのではなく、パートナーと協力して進めるのが理想的です。
運動もパートナーと一緒に取り組むことでモチベーション維持にも役立ちます。

休日に近くの公園でウォーキングしたり、ご自宅でペアヨガを行ったりすることで同じ目標に向かって協力するという連帯感もうまれます。
パートナーと会話を楽しみながら身体を動かすことでストレス解消にもつながり、心身ともにリフレッシュすることができるのです。


またパートナーと運動することは男性側の妊活にも良い影響となります。

男性の精子の質は日々の生活習慣や運動不足によって、低下しやすくなります。
適度な運動で血流を改善、そして適正体重を維持することは質の高い精子を作るためにも不可欠です。

夫婦揃って健康的な身体づくりに取り組むことは妊娠の可能性を上げるだけでなく、将来生まれてくる子供のためにも素晴らしい環境づくりとなります。
ぜひ夫婦の絆を深めながら前向きに運動を続けていきましょう。

妊活と運動に関するよくある質問

妊活中の運動について多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。

運動を始めるのに最適なタイミングはいつですか?

気になるなと思った時がベストなタイミングです。
妊活を意識した時から習慣化することで、体質改善がスムーズに進みます
 

運動不足は妊活に悪影響となりますか?

運動不足によってコリや冷えなど妊活にとって悪影響となってしまう場合もあります。
コリや冷えを感じている方は運動を取り入れるだけでも改善されていく可能性はあります。

不妊治療中、運動をしても大丈夫?

医師に許可を得たうえで、適切な運動を行うことを推奨しています。
血流を良くすることで、治療効果を高める手助けとなります。

お腹の筋肉トレーニングはしても大丈夫?

お腹の周りの筋肉トレーニングは卵胞期にとくにお勧めしています。
卵胞期は卵胞や子宮内膜が成長する時期でもあるため、お腹周りの筋肉を動かすことで骨盤周りの血流が上がり栄養が届きやすくなる働きがあります。

しかし、採卵前は卵胞が複数育っていて卵管捻転してしまう恐れがあるので避けましょう。
さらに着床期も、子宮周りに負荷がかかってしまう恐れもあるため、ストレッチや散歩程度の運動を心がけてもらえたらと思います。

流産のリスクってある?

結論:低〜中強度の運動に従事した者と従事しなかった者において、流産リスクの増加は見らなかったことが示されました。(6)

この論文のように、適度な運動が流産リスクを高めるという可能性は低いですが、一方で妊娠初期の極端に激しい運動や身体への負担が大きい活動は注意が必要とされています。
 
妊娠中もご自身の身体の声に耳を傾け、辛い時はゆっくり休み、調子がいい時はウォーキングから始めたりと調節するのが大切です。

妊活中に運動を取り入れた方の事例

タイミング法、そして体外受精を行ってもなかなか授かれず、当院に来院されたNさんのお話です。

Nさんが来院されたのは39歳のときでした。周りのご友人が次々と妊娠される中で、「自分もきっと授かれるはず」と思っていたものの、思うようにいかず、不安なお気持ちを抱えて来院されました。

それまでにも、動画を見ながらストレッチやリンパマッサージを取り入れ、少しでも妊活にプラスになるよう努力されていました。


実際にお身体をみていくと、肩や首のこりが強く、お腹にも硬さや緊張がみられました。
さらに足先はひんやりとしており、「20代の頃から冷え性なんです」とお話しくださいました。


脈をみると、「弦脈(げんみゃく)」がみられました。

弦脈とは、張りつめたような、硬く緊張感のある脈です。
肩こりは小学生の頃からあったとのことで、もともと筋肉が緊張しやすい傾向があったのかもしれません。


東洋医学では、弦脈は「肝」と関わりが深いとされています。
肝には、全身の気の巡りを調整し、しなやかに保つ働きがあります。

さらに「肝は筋を主る」といわれ、筋肉や腱の働きとも深く関係しています。
ストレスや疲れなどによって肝の働きが乱れると、気血の巡りが滞りやすくなり、筋肉や腱がこわばって緊張しやすくなります。

筋肉が緊張すると血流もスムーズに巡りにくくなるため、Nさんの足の冷えも、こうした状態と関係していた可能性があります。


Nさんは来院前から、動画を見ながらストレッチやリンパマッサージを丁寧に続けていらっしゃいました。
しかし実際にお身体をみると、肩や首、お腹の緊張はまだ強く残っていました。

そのためNさんの場合は、ただ外からゆるめるだけではなく、肝と関わりの深い「筋」を適度に使うことで、気血の巡りを内側から動かすことが必要だと考えました。

そこで、弦脈に対応するツボへの鍼に加えて、ご自宅では簡単な筋力トレーニングを取り入れていただきました。

お伝えしたのは、
・肩甲骨を寄せるトレーニング
・つま先立ちで上下するトレーニング
の2つです。


適度に筋肉を使うトレーニングは、筋の働きを保ち、身体の巡りを整える助けになると考えられます。
ただし、負荷が強すぎると、かえって筋肉の緊張や疲労が強くなってしまうこともあります。

そのため、家事の合間に数分行う程度の、無理のない範囲で続けていただきました。

行った直後には、「肩甲骨まわりやふくらはぎに、ちょうどいい疲労感があります」とおっしゃっていました。
約1か月ほど経つ頃には、少しずつ身体の巡りやすさが出てきて、「そういえば、肩こりも足の冷えもあまり気にならなくなってきたかもしれません」と教えてくださいました。

その後、次の周期で採卵した胚を移植され、無事に着床。のちに、ご出産のご報告もいただきました。

まとめ

妊活中の運動は、血流の改善や自律神経の安定、ストレスケアに役立ちます。
そのため、妊娠しやすい身体づくりの一つとして、無理のない運動はとても大切です!!

一方で、疲労が強く残る運動や、義務のように続ける運動は、かえって身体と心の負担になることもあります。
大切なのは、今の体調や生理周期、不妊治療の段階に合わせることです。

「心地よい疲労感で終われるか」を一つの目安にしてみてください。

運動は、自分を追い込むためではなく、身体を整えるためのものです。

妊活中は少しのことでも不安になりやすいもの。
そのため「頑張り方を間違えたかも」と、自分を責めすぎないでくださいね。

今の身体に合った方法で、無理なく続けていくことが大切です。



参考文献

(1)Junga Lee” Determining the association between physical activity prior to conception and pregnancy rate: A systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies” National Library of Medicine

(2)Parovash Jamrasi,Mia Tazi,Nur Afiqah Zulkifli,Jun Hyun Bae,Wook Song” The potential role of exercise in mitigating fertility toxicity associated with immune checkpoint inhibitors (ICIs) in cancer patients” The Journal of Physiological SciencesVolume 74, Issue 1, 2024, 57

(3)Fangfang Xie,Yanli You,Chong Guan,Yuanjia Gu,Fei Yao,Jiatuo Xu” Association between physical activity and infertility: a comprehensive systematic review and meta-analysis” National Library of Medicine

(4)Meng Rao,Zhengyan Zeng,Li Tang” Maternal physical activity before IVF/ICSI cycles improves clinical pregnancy rate and live birth rate: a systematic review and meta-analysis” National Library of Medicine

(5)荒田尚子” 「プレコンセプションケア」をみんなの健康の新常識に”厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~

(6)Rubén Barakat,Dingfeng Zhang,Cristina Silva-José,Miguel Sánchez-Polán,Evelia Franco,Michelle F Mottola” The Influence of Physical Activity during Pregnancy on Miscarriage-Systematic Review and Meta-Analysis” National Library of Medicine

この記事の著作者

鍼灸師 柔道整復師 福田 真弓

「東京漢方鍼医会」会員

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 松本 敏樹

経歴
  • 2011年
    認定不妊カウンセラー取得
    新宿に開業
  • 2014年
    現在地へ移転
    漢方鍼医会 入門部講師 就任
  • 2016年
    漢方鍼医会 理事 就任
    研修部講師 就任
    東京漢方鍼医会 学術部部長 就任
  • 2018年
    東京漢方鍼医会 代表 就任 現在に至る
  • 2022年
より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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