AMHが低いと妊娠できる?原因は?卵巣年齢とは。|不妊鍼灸・妊活鍼灸の【そあら鍼灸院】東京新宿区

〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-13-7 タカラビル2F
脈診流 そあら鍼灸院 LINE登録

妊活お役立ちコラム

2026/09/28

不妊治療解説

AMHが低いと妊娠できる?原因は?卵巣年齢とは。

当院では初めて来られた患者様にまずはこれまで受けられた治療についてお伺いします。

そこでホルモン値を訪ねると「卵巣年齢が高いと言われました…」
と暗い表情になる方がいらっしゃいます。

ここで患者様がお話する卵巣年齢とはAMH(抗ミューラー管ホルモン)です。

AMHは卵巣年齢と表現されることが多かったため、卵の質だと間違えやすいかもしれません。

しかし、AMHは卵の質ではなく、卵巣の予備能や採卵できる数を推測するものです。

ではどうしてAMHを測定することで量が分かるのでしょうか?

今回ではAMHについて解説します。

  1. 1.AMH(抗ミューラー管ホルモン)とは
  2. 2.低AMHの原因
  3. 3. AMHが低い人の主な特徴と現れやすい自覚症状
  4. 4. AMHとFSH
  5. 5.低AMHと分かったら
  6. 6.AMHが低いと判明したときに取るべき具体的な対策
  7. 7.AMH値による治療法の選択肢
  8. 8.卵巣機能を健やかに保つために日常生活でできること
  9. 9.残っている卵子を保つために
  10. 10.まとめ




AMH(抗ミューラー管ホルモン)とは

AMHは直径1mm未満で内診でも把握できない前胞状卵胞から分泌されるホルモンです。

毎月排卵される卵子は半年以上かけてゆっくりと成長します。

卵子の小さな卵胞である原始卵胞はなんと胎児、つまり母親のお腹の中にいる頃に一生分の卵子が作られます。

原始卵胞はその後、新たに作られることはありません。

この原始卵胞から始まり、

前胞状卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞

と成長し、排卵されます。

ではこのAMHを測定すると一体何が分かるのでしょうか?


AMH検査で分かること-妊娠しやすさとの関係-

AMHを測ることで卵胞の数や卵巣反応を予測することができます。

つまりAMHが多く分泌されていると卵胞の数が多いと推測します。

そこでAMHは卵巣に残る卵胞数や、採卵時にどれくらい卵子が得られそうか推測するための手段として測定されるようになりました。

卵子の質ではなく、残りの量を知る手段としてAMHは「卵巣予備能検査」と呼ばれるようになりました。

この「卵巣予備能検査」という言葉だけ聞き、卵子の質が分かる検査と誤解されやすい面があります。

しかし、あくまでもAMHは卵子の数を直接測る検査ではなく、卵巣予備能や採卵の反応を予測するための指標の1つ。

AMHだけでなく年齢やその他のホルモン値、治療歴など総合的に見た上で今後の妊活の計画をたてる判断材料として考えることがお勧めです。


AMHの基準値とは?

AMHが卵巣機能検査と聞くと基準値がどのようなものなのか気になる方もいらっしゃると思います。

しかしAMHは個人差が大きいため、年齢ごとに明確な基準値を設けにくいとされています。

AMHの基準値について日本産科婦人科学会では以下のように述べています。

生下時に有している原始卵胞の数は個人差が大きく、AMHは各年齢層で正規分布しないため、平均値は示されているものの正常値を設定することはできない。1)

一方、日本生殖補助医療標準化機関(JISART)2019年2月に新基準値が発表されました。

表をみると中央値が設定されているものの、基準範囲がかなり広く設定されています。

そして「AMHの測定に関する留意事項」としてAMHでは卵子の質・卵巣年齢・妊娠しやすさ・低AMHの早発閉経の断定はできないものと記されています。

1. AMHは卵子の質とは関連しない。
2. AMHの測定値は個人差が大きく、若年女性でも低い場合や高齢女性でも高い場合があり、測定値からいわゆる「卵巣年齢」の推定はできない。
3. 測定値と妊娠する可能性とは直接的な関連はなく、測定値から「妊娠できる可能性」を判定するのは不適切と考えられる。
4. 測定値が低い場合でも「閉経が早い」という断定はできない2)


つまり卵巣年齢の基準値の設定は難しく、「自分の卵巣年齢は〇〇歳」とは断定しにくいものと言えます。

とはいえ、自分の卵子が残りどれくらいあるか把握することで

・早めにステップアップすべきか
・体外受精の誘発法

など、今後の妊活の方針を決める上で判断材料になり得ます。


AMHは上がることはない?

元々AMHは年齢とともにだんだん減少するものと考えられていました。

しかし、AMHはFSHなどのホルモンに比べて小さいものですが、周期によって変動するものだと考えられています。

日本産婦人科医会には以下のように書かれています。

AMHは、ほかの女性ホルモン、下垂体ホルモンに比べれば変動が少ないので月経周期にかかわらず測定してよいとされているが、多少の日内変動や、月経周期での変動の報告があることは認識しなければならない。3)

なぜ、卵子の残りの数の指標であるAMHは変動するのでしょうか?

こちらを理解するために再度AMHがどこから分泌されるか確認します。

AMHの仕組みを説明

AMHが分泌されるのは前胞状卵胞から。

ここでポイントとなるのは前胞状卵胞より前段階の原始卵胞の数です。

胎児の頃から存在する原始卵胞のほとんどは休眠状態です。

その中から毎月、一定数の原始卵胞は成長を再開し、選ばれた1つの卵胞から排卵されます。

この原始卵胞からいくつか再成長することをリクルートメントといいます。

リクルートメントする時点でのAMHを分泌している小さな卵胞の数や状態、測定条件によってAMHの値は前後することがあります。

なので、これまでAMHは年齢とともに下がっていくものと考えられていましたが多少は月によって変動することあるのです。

もちろん、長期的にみるとAMHは徐々に減少しますが、周期によって多少AMHが増えることもあり得ます。

ちなみに、池袋えざきレディースクリニック・京野アートクリニック高輪・Natural ART Clinic日本橋では採卵周期にAMHを測定します。

それはその周期に発育可能な卵胞の数を予測するために検査するのです。

なお、保険適用内でのAMH検査は6か月に1回。

そのため、半年に1回以上のペースでAMH測定をする場合は自費治療となります。

採卵に向けての鍼灸治療についてはこちらで解説しています。



AMHが低いとは?

ではAMHが低かった場合、どのようなことが考えられるのでしょうか?

これまで述べたようにAMHは卵巣年齢と称されますが、卵子の質ではなく数の問題です。

分かりやすく表現するために卵巣年齢と呼ばれることがありますが、単純に年齢に換算できるものではありません。

現存する卵子によって妊娠する可能性は十分あり得ます。

しかし、卵子の数が少ないと判断するため年齢が若かったとしても不妊治療の計画を早期にたてる必要があります。


AMHと卵巣年齢について

ここまでお話したようにAMHは卵巣に残る卵胞数や、採卵時にどれくらい卵子が得られるか推測するものです。

それは分かりやすく「卵巣年齢」と表現したところ、卵子の質や妊娠しやすさと誤解を招くこととなりました。

AMHはあくまでも卵子の数を調べるため、AMHで卵子の質を調べることはできません。

そしてAMHを計測したところで単純に年齢に換算できるものではありません。

また、体外受精の場合は低AMHを考慮する必要あります。

全体の卵子の数が少ないことが予想されるため、1回の採卵で取れる数が少ない可能性があります。

その場合は低刺激の誘発法の方が合う場合があります。

しかし、採卵周期の誘発法は病院の治療方法によって異なるため、低いAMHでも周期を見極めて卵巣刺激を行うところもあります。


低AMHの原因

AMHが低い原因としては以下のものが考えられます。

  • ・加齢
  • ・喫煙などの生活習慣の乱れ
  • ・卵巣子宮内膜症、過去の卵巣手術歴や放射線治療

では1つずつ解説します。


加齢

AMHが低下する最大の原因が加齢です。

胎児期に作られた卵子は新たに作られることなく、思春期を迎える頃には十分の一以下に減り、排卵で毎月数百~千個の原始卵胞が減っていきます。

年齢とともに卵胞数は減少し、特に30代後半以降は妊娠率や採卵数にも影響が出やすくなります。


喫煙などの生活習慣の乱れ

喫煙は生殖機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

ニコチンは血管を収縮させるため、卵巣の血流を悪化させ、酸化ストレスが生殖機能にとって大敵です。

また厚生労働省研究班が監修した「女性の健康管理室 ヘルスケアラボ」には喫煙に対して以下のように書かれています。

「また、不妊や、早期閉経の原因ともなります。」4)

他にも過度なストレス、睡眠不足、極端なダイエットは、排卵やホルモンバランスに影響することがあります。

AMHだけでなく、妊活全体を考えるうえで見直したい要素です。


卵巣子宮内膜症、過去の卵巣手術や放射線治療

卵巣への手術歴はAMHと大きく関わります。

卵巣内に古い血液が溜まってしまうチョコレート嚢胞は卵巣内の組織を圧迫し、炎症や線維化を引き起こし卵巣機能に影響します。

また、摘出手術を行う際、どうしても正常な組織の一部も失われてしまいます。

その結果、術後はAMHの値が著しく低下することがあります。

では卵巣子宮内膜症があるものの、手術をしていない場合はどのように考えるべきでしょうか?

こちらは嚢胞そのものが卵巣予備能に影響するという考えもある一方、反する意見もあります。

ただし、嚢胞は今後も大きくなり手術が必要となる可能性もあるため、今後の不妊治療に対して積極的に視野を入れることも必要になります。

また、抗がん剤治療や放射線治療も卵巣へ強いダメージを与えるため、これらの病歴がある場合は早めにAMHの測定をお勧めします。


AMHが低い人の主な特徴と現れやすい自覚症状

ではAMHが低くなることで、何か自覚症状はあるのでしょうか?

低AMHの場合、個人差が強くでるものの、以下が挙げられます。

  • ・月経周期が短くなる人もいる
  • ・自覚症状が全くないことも珍しくない


月経周期が短くなる傾向

AMHが低くなった方の中には次の月経周期までの日数が短くなる傾向があるとされています。

「月経周期の長さと卵巣予備能マーカーおよび刺激反応との関連」:論文には以下のように書かれています。

本研究は、MCLが卵巣予備能および卵巣反応の臨床的に意義のある決定因子であることを示している。周期が長い(29~35日)女性は、周期が短い(21~28日)女性と比較して、AMH値およびAFCが有意に高く、採卵数も多かった。年齢を調整した後もこれらの関連性が持続していることは、MCLが卵巣の本質的な生物学的状態を反映するマーカーであることを示唆している[1, 2]。言い換えれば、MCLは卵胞プールの規模や卵胞の発育可能性に関する手がかりを提供する、簡便かつ非侵襲的な臨床パラメータである。5)
※MCL(menstrual cycle length) 月経周期の長さ

もちろん低AMHの人は月経周期が短いと断定することはできませんが、以前より月経周期が短くなっている場合は卵巣予備能の低下と関連することもあります。

年齢や内診で見える卵胞の数など総合的に考える必要があります。


実は自覚症状が全くないケースも多い

月経周期が短くなる方がいる一方、AMHが低下していく中で自覚症状が全くない人も大勢いらっしゃいます。

安定した生理周期、平均的な経血量、きれいな二相性な基礎体温、生理痛もあまり重くなかったひとが不妊治療の基礎検査でAMHが低いと言われてショックを受ける方は少なくありません。

ただし、上記でも解説しているようにAMHは卵巣の質ではありません。

低AMHでも自然妊娠する方は大勢いらっしゃいます。

ですが、今回AMHが低いことが分かったのならば、期間を決めてステップアップする、早い段階で医療機関に相談するなど、今後の家族計画を積極的に考えることをお勧めします。


AMHとFSH

AMHとFSH

FSHは脳からでるホルモンで卵巣の機能を表す指標の1つとなります。

FSHが分泌され、卵胞が成長します。

FSHが分泌されていないと、卵胞は育ちません。

ではFSHが高いと育ちやすいのでしょうか?
そうとは言えません。

卵巣の働きが悪く、なかなか卵胞が育たないとFSHはより一層分泌されます。

つまりFSHが高いと卵巣機能が弱いことを表します。

なお、日本産科婦人科学会では月経中のFSHを3.5〜10mIU/mlとしていますが、AMHと違ってFSHは年齢別に設定されていません。6)

年齢が上がると、FSHも上昇する傾向にあります。

では、AMHとFSHはどう関連して考えればいいのでしょうか?

AMHとFSHは、どちらも卵巣の状態を把握する検査ですが、見ているものが違います。

AMHは、卵巣に残る卵胞数や採卵周期の卵巣の反応を推測する指標であり、FSHは卵胞の発育を促すホルモンです。

低AMHでもFSHが高くない方がいらっしゃる一方、FSHが周期によって変動する方もいます。

そのため、AMHとFSHはどちらか一つで判断するのではなく、年齢、月経周期、E2、AFC、これまでの採卵結果と合わせて見ることが大切です。

しかし、今後卵巣機能が低下する可能性はあるため、主治医への相談が推奨されます。


低AMHと早発閉経

早発閉経とは40歳より前に閉経して月経がなくなることです。

AMH値だけで判断することはできませんが、低AMHの状態が続くと早発閉経を疑う1つの判断材料とはなります。

早発閉経ははっきりした診断基準は設けられていませんが、日本産科婦人科学会雑誌54巻9号には以下のように書かれています。

病名としての早発閉経(premature ovarian failure;POF)は、一般に40歳未満の自然閉経と定義される。具体的には40歳未満で卵巣手術、癌化学療法、放射線照射などに起因しない続発性無月経で血中FSH40mlU/ml以上を呈する症例を指す。<中略>最近では、多くのPOF症例で血中FSH値が一時的に正常値に戻ることが明らかになっており、診断は必ずしも容易ではない。7)

つまり早発閉経かは低AMHだけで判断はできず、FSHも併せて考える必要があります。

また、FSHも一時的に変動することはあるため、何周期にわたって確認する必要があります。


低AMHと分かったら

AMHは卵子の状態ではなく残りの在庫を表しています。

そのため、低AMHで妊娠を希望していてもなかなか授からない場合は積極的なステップアップも視野に入れていくことが大切です。

なお、AMHだけで不妊治療の方針を判断することはできず、他のホルモン値や年齢、治療歴も考慮する必要があります。


AMHが0だと治療できない?

これまでの解説から考えるとAMHが0もしくは限りなく0に近い場合、妊娠や採卵が難しくなる可能性はありますが、AMHの数値だけで不可能とは判断はできません。

しかし、AMHが0だったとしても、まだこれから成長する卵子が残っている可能性はあります。

当院でも36歳でAMHが0だった方が通われていました。

採卵ができなかった周期もありましたが、何度も採卵を繰り返し、最終的に妊娠・出産されました。


高AMHなら大丈夫?

これまで低AMHに焦点をあててきましたが、高AMHはどのような状態でしょうか?

一見すると卵子の在庫がたくさんあり、良いことと思われるかもしれませんが、そうとは言えません。

AMHが高い場合、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が背景にある場合があります。

PCOSの人は卵胞の成長が途中で止まり、たくさんの小さな卵胞が卵巣に留まっています。

PCOSの場合、自力で排卵しにくいことがありますので、治療が必要なケースもあります。

PCOSに関してはこちらで解説しています。



AMHが低いと判明したときに取るべき具体的な対策

AMHが低いと分かると不安になることも無理はありません。

ですが、AMHは卵子の数の目安であるため、妊娠のしやすさとはあくまでも別物。

焦らずに、今後どのように妊活を進めるべきか、その他の検査結果を整理しながら考えることが大切になります。


不妊治療を専門とするクリニックでの早期受診

これまで通っているクリニックが一般の婦人科・産婦人科でしたら不妊治療の専門クリニックへの転院をお勧めします。

もちろんこれまでのクリニックでもタイミング指導や基本検査は可能ですが、一部扱っていない検査も。

体外受精へのステップアップを検討する際、相談もしやすくなり、治療がスムーズに進めることができます。


体外受精や顕微授精への早期ステップアップの検討

低AMHの場合、なかなか妊娠しにくいというわけではありません。

しかし、卵子の数が少ない可能性があるため、年齢・その他の検査結果・治療歴に応じて計画的にステップアップも視野に入れることが大切です。

今後の妊活に後悔しないためにもパートナーの方としっかり話し合い、妊活の計画をたてていくことが求められます。


AMH値による治療法の選択肢

治療の方針を相談

AMHは卵子の質ではなく、卵子の数を表しています。

そのため、きちんと胚ができた後はAMHだけで判断できないものに。

ではAMHの値により治療法はどう変わるのでしょうか?


AMHが低い場合

AMHが低い場合、採卵数が少なくなる可能性があります。

ここで卵巣刺激を弱めにして少ない数を確実に採卵するか、敢えて刺激をしっかり行いその周期の卵胞を全て採卵するかは病院のよって方針が変わります。

また、ここではAMHだけではなくFSHも関係します。

FSHが高い場合、卵巣機能が低下していることが予測されます。

なので、卵巣刺激をしても複数胚採卵できない可能性が。

誘発法は病院によって方針が異なるので、通院している病院の方針を確かめる必要があります。


AMHが高い場合

では逆にAMHが高い場合はどのような治療になるのでしょうか?

AMHが高い場合、一度の採卵で数多くと採卵できることが予測されます。

そのため必要以上に排卵誘発をしてOHSS(卵巣過剰刺激症候群)にならないように注意する必要が。

ですが、AMHで誘発法を決めるというより、AMHが低い時と同様、病院の方針によって高刺激にするか低刺激にするか判断が分かれることが考えられます。


卵巣機能を健やかに保つために日常生活でできること


 卵子の種である原始卵胞は母親のお腹にいる胎児に頃にできあがり、減る一方のためAMHを上げる手段は残念ながら存在しません。

しかし、少しでも卵胞が育ちやすくするためにはに身体のケアが大切になります。

老化を防ぐためには以下のようなセルフケアが挙げられます。

・禁煙
・バランスのとれた食事
・適度の運動
・良質な睡眠


卵子の老化についてはこちらで解説しております。
 


骨盤周りの血流を促す適度な運動と徹底した冷え対策

精子と受精し、分割して着床するには質の良い卵子を育てる必要があります。

そのためには血液循環を整えて十分な酸素と栄養が運ばれる環境作りが必要になります。

もちろん「冷えがあると卵巣に栄養が届かない」「温めると卵子の質が上がる」といった単純なものではありませんが、適度な運動と冷え対策はお身体全体の機能を高めるためにも最適なものになります。

腹巻やレッグウォーマーで身体を冷やさないようにし、湯船につかる習慣をつけることもお勧めです。


抗酸化作用を意識した栄養バランスの取れた食事

どうしても加齢によって卵子の染色体異常の増加は増えてしまいます。

しかし、喫煙や過度な飲酒、栄養不足、過度な食事制限は加齢と関係なく老化を加速させてしまいます。

そのためにもまずは食事全体のバランスを整えることが大切に。

特定の栄養素を摂取すると卵子の質が上がるという単純なものではありませんが、十分なたんぱく質をとり、ビタミンC、ビタミンE、鉄、亜鉛、ビタミンD、葉酸などは意識してとることがお勧めです。


自律神経を整える質の高い睡眠とストレスケア

睡眠不足や強いストレスは自律神経、ホルモンバランスを崩す原因になります。

寝ている間は細胞が修復され、活性酸素を除去する抗酸化作用が働きます。

妊活中はどうしても自分を責めてしまったり、焦りが強くなったりやすい時期です。

就寝環境を整え、深い呼吸を心がけることによって睡眠の質を改善し心身を整えていきます。

また、当院でも治療中にいつでもお話を伺いますので不安を吐露したい時はいつでもお声掛けください。

睡眠に関係するメラトニンと卵子の質についてはこちらで解説しています。




残っている卵子を保つために

これまで何度もお話したようにAMHは卵子の数を示すもので質とは関わりありません。

たとえ低AMHだとしても1つ良質な卵子が採卵できれば妊娠する可能性はあります。

そのため、採卵・移植に向けた身体作りが重要です。

ではどのような方法があるのでしょうか?


・血流をよくする
・自律神経バランスを整える
・バランスの良い食事
・良質な睡眠
・禁煙

自律神経が乱れているとホルモンバランスは崩れ、血流が悪いせっかく作られたホルモンはスムーズに子宮や卵巣に運ばれません。

バランスの良い食事は卵子に栄養を与え、睡眠不足はホルモンバランスを崩してしまいます。

血流や自律神経の乱れに伴う不調を整え、妊活中の体調管理をサポートに当院では鍼灸治療をお勧めしています。


33歳にして42歳の卵巣年齢と言われた患者様の事例

当院に通われていた患者様でAMHが低いことに悩まれていた方がいらっしゃいました。

当時33歳のAさんは32歳の時に計測したAMHが1.5で当時の基準値で38〜41歳程度、33歳で計測した時はAMHが0.5。

42歳以上の値と言われて悩んでいました。

また、生理3日目のFSHは周期によって波があり、最も高い時で33、普段は13〜17の値でした。

採卵はこれまで2回行っており、飲み薬に注射を2回追加する誘発法で1回の採卵で2〜3個採卵していました。

鍼灸治療を始めてから、3回目の採卵。当時通われていた病院ではこれまで通り服薬と2回の注射。

そこでも3個採卵しましたが、妊娠には至りません。

4回目の採卵は注射をせずに飲み薬のみで1つ採卵。

これまでは初期胚を移植していましたが、この時は病院からの提案で胚盤胞まで育てることとなりました。

結果、胚盤胞まで育ち、移植したところ無事に妊娠・出産することに!

卵巣年齢が42歳と言われると質まで低いのではと悩んだり、採卵できる数が少ないと不安に感じたりするかもしれません。

しかし、こちらの患者様は病院と相談して誘発法を変えて妊娠・出産に至った例といえます。



まとめ

AMHを卵巣年齢と表現されたために、低AMHは卵子の質が悪く妊娠しにくいものと誤解されやすくなりました。

AMHは、卵子の質や妊娠しやすさを直接示すものではなく、卵巣予備能や採卵時の卵巣反応を考えるための指標の一つ。

そのためAMHが低いからといって妊娠しにくいものではなく、AMHだけで妊娠しやすさを判断することはできません。

しかし、年齢が若いけど低AMHだった場合はのんびりと妊活に取り組むよりは期限を決めて積極的にステップアップを視野にいれることをお勧めします。

AMHの値であまり落ち込み過ぎず、今後の妊活の計画に参考になる検査だと考えます。


参考文献

(1)日本産婦人科医会.(3)卵巣予備能とは?.
https://www.jaog.or.jp/note/(3)卵巣予備能とは?/
(2)株式会社ビー・エム・エル.基準値変更のお知らせ(AMH〔抗ミュラー管ホルモン〕).No.2019-2.2019年1月16日.(PDF)
https://uwb01.bml.co.jp/kensa/pdf/BML2019-2.pdf
(3)日本産婦人科医会.卵巣予備能とは?
https://www.jaog.or.jp/note/(3)卵巣予備能とは?/
(4)女性の健康推進室 ヘルスケアラボ.女性と喫煙.最終更新日:2025年1月16日.(Webページ)
https://w-health.jp/preconception_care/smoke/
(5)Aykanat G,Ertan B,Tulucu Kalkan F,Atlıhan U,Acet F,Tavmergen Goker EN,Tavmergen E.Association between menstrual cycle length and ovarian reserve markers and stimulation response: a retrospective cohort study.BMC Women’s Health.2026;26:159.doi:10.1186/s12905-026-04391-5
https://link.springer.com/content/pdf/10.1186/s12905-026-04391-5.pdf
(6)日本産婦人科医会.7.月経周期と女性ホルモンのメカニズム.栗林先生・杉山先生の開業医のための不妊ワンポイントレッスン.(Webページ)
https://www.jaog.or.jp/lecture/7-月経周期と女性ホルモンのメカニズム/
(7)石塚文平.早発閉経の病態と取り扱い.日本産科婦人科学会雑誌.2002;54(9):N-252–N-255.
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/54/9/KJ00003549583.pdf


初出    2024年7月25日
加筆修正  2026年9月28日 


この記事の著作者

鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 楠本 敦子

「東京漢方鍼医会」会員

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。



この記事の著作者

院長 鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 松本 敏樹

経歴
  • 2011年
    認定不妊カウンセラー取得
    新宿に開業
  • 2014年
    現在地へ移転
    漢方鍼医会 入門部講師 就任
  • 2016年
    漢方鍼医会 理事 就任
    研修部講師 就任
    東京漢方鍼医会 学術部部長 就任
  • 2018年
    東京漢方鍼医会 代表 就任 現在に至る
  • 2022年
より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
■■【妊娠しやすい身体づくりの方式と不妊鍼灸3本柱】◆◆
数万例超の臨床実績から導き出した方式
〔①不妊鍼灸3本柱×②不妊カウンセリング×③おうち妊活〕

・不妊鍼灸3本柱(「妊娠脈づくり」「刺さない鍼」「鍼灸おすすめ日」)
・不妊カウンセリング(「妊活情報/クリニック選び」「認活」)
・おうち妊活(「妊娠力アップおうち妊活プログラム」)


東京都新宿区西新宿7-13-7 タカラビル2F

◆◆* *・ ♪・・♪*・ *・♪*♪* ・*・ * ・*・ ・ ♪・♪■■
妊娠体質になる15日間メール講座

一覧へ戻る