妊娠中/産後
目次
妊娠中・産後の鍼灸
判定日以降、妊娠中を通し産後以降とずっと継続的に施術をしております。
このページでは妊娠後における当院の対応可能な施術の解説をいたします。
妊娠中の鍼灸が初めての方も「刺さない鍼」で行うため、安心して受けることができます。
妊娠後は表の①~⑤の時期に応じた施術を行っております。
① 妊娠初期の鍼灸の効果/12週までの重点的フォロー
1.出血に対しての施術
鍼灸治療の理論には以下のようなようなものがあります。
・鎮静作用
・誘導作用
・消炎作用
・鎮痛作用
・止血作用
妊娠初期の原因のハッキリしない出血は安静にするしかないと言われますが、鍼灸治療では妊娠初期に限らず不正出血に対して治療をすることがあります。
しかしながら染色体の問題など、止めることができない場合は対象外となります。
2.ストレスを緩和して血流の循環を良くし、子宮への血流の循環をよい状態を保つ。
例えばお母さんがストレスを受けると、交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると血管を収縮させてしまうため血流が悪くなります。
すると子宮の血流が悪くなります。
身体はまず自分の心臓へ血流を届けるため、その結果子宮へ届きにくくなります。
痛くない鍼でリラックス効果を出しながら子宮への血流の循環をよい状態を保ちます。
3.流産の予防に対しての施術
抗リン脂質抗体や血液凝固因子があるためアスピリンやへパリン療法を行いながら併用して鍼灸治療を受けられている方も多くいらっしゃいます。
近年は免疫の問題に対してのアプローチも盛んになってきました。
卵質ばかりでなく子宮環境・着床環境もクローズアップされています。
東洋医学的に考察してみると「胞(子宮)」と言われる部分では、異物を攻撃しないためあまり免疫が働かないようにできていると考えます。
そのため子宮環境を整えることが重要です。
また転座については、染色体に異常のない卵子が排卵されることを目的に、妊娠前からの積極的な身体づくりを行います。
流産は一定の確率で起こってしまい、また年齢が上がるにつれて高まっていきます。
(一般的な流産率はおおよそ35歳で20%、40歳で40%)
とはいえ1例でも減って欲しいと願い、そあら鍼灸院では流産率をどれだけ避けられるかを重視しています。
2019年12月末日までで妊娠者数が871例、流産となってしまった例が159例で18.3%でした。
ただし連絡をいただいていない場合は不明のため、実際はもう少し高いと考えています。
当院の平均年齢が30代後半となります。
4.つわりや妊娠初期の諸症状に対しての施術
妊娠初期で特に多い症状はつわりです。
体調がすぐれないことはほんとうに辛いことでしょう。
たくさんの患者さんを診させていただくなかでいつもそう感じます。
鍼灸でつわりの治療はよく行います。
またご自宅でできる「つわりのお灸」もあるので、セルフケアとしてお伝えしています。
一般治療同様、つわり以外の体調不良の施術も行っています。
妊娠中も安全に受けられるよう配慮して施術いたします。
妊娠12週までの重点的な施術
妊娠12週未満の早い時期が流産が起こりやすい時期といわれます。
② 妊娠12週からの「ご出産のための身体づくり」
「せっかく身体づくりをしてここまでこれたので、できればこのまま身体を整えられたら心強いです。」
「今後はもう通院はできないのですか?これからも通えたら安心です。」
よくそのようにお話をいただくことがあります。
大切な期間はこれからも続きます。
12週経過後も定期的な施術をおすすめしております。
頻度に関してはお身体の状態によりますが、だいたい2~4週間に1回が多いです。
妊娠中のストレスの胎児への影響
「妊娠中に火事を見ると赤アザの子が産まれる」といい、 要するに妊娠中のストレスは生まれた赤ちゃんにトラブルが起きやすいという意味です。
東洋医学では2000年以上前に書かれた本のなかには、妊娠中に大きな精神的ショックを受けた場合に、生まれた赤ちゃんが癲疾を病む…癲癇などの脳疾患のこと と言っており、それだけ昔から妊娠中の体調と赤ちゃんの関係性を記述しています。
「ご出産の身体づくり」とともに、「妊娠中のストレスケア」をして赤ちゃんが健やかに育つ環境づくりを大切にしています。
②-a 安産灸
「陣痛が軽く済んで、安産だったらいいな。」
「生まれてくる赤ちゃんが健康で元気であってほしい。」
それを実現するために、産婦人科医の石野信安先生は「安産灸」を提唱しました。
『女性の一生と漢方』という著書(緑書房)にはこのように書かれています。
妊娠中に、妊婦が三陰交にお灸をすえることは、母体のためのみではありません。
生まれてくる赤ちゃんにも著しい効果が見られるのです。
よくわかるのは、子どもの胃腸が丈夫で、リズム感が発達し、からだが敏しょうに動くことなどです。
お灸をすえた人と、すえない人とでは、子供にはっきりその違いが出ます。
安産のお灸として私は、この三陰交というツボに、もう三〇年以上もお灸をすえています。
しかし、一例も副作用と思えるものを見たことがありません。良い結果ばかりです。
妊娠中には足のむくみがとれます。
また、出産の折には、陣痛が軽くすむようにもなります。
そして、産まれた赤ちゃんは丈夫に育ちます。
こうしたことを見ていると、その子供たちの将来を考えても、妊娠中の手当てがとても大切であることを痛感します。
三陰交というツボは、終戦後するに私が、ここにお灸をすえて、胎児のさか子を治したのがきっかけで使うようになりました。
その後、ここにお灸をしていると、安産になり、さらに生まれた子供が丈夫に育つことに気が付きました。
お産に、特別な異常がない時は、なるべく手を加えず、自然に任せることが最上の方法です。
そのためにも、妊娠中に毎日、三陰交にお灸をしていると、自然にまかせて楽なお産ができます。
②-b 逆子鍼灸
ですが「自然と治る」といわれていても、なかなか治らないことがあるわけです。
それでは、治りにくい状態とはどんな状態なのか?
どうしたら治りやすいのかについて、下記ページで解説しているので、是非ご覧ください!
妊娠中でも安心 刺さない鍼で行う鍼灸
妊娠中の治療の流れと姿勢
10週頃~
お腹が大きくなってきた頃〜臨月
嘔吐、めまい、悪心などを起こす仰臥位低血圧症候群を起こす可能性があるためです。
③ 産後の施術
「つい頑張ってしまう。」頑張り屋さんだからこそ陥ってしまう産後の不調。
④ いつでも体調不良の鍼/第2子妊活の準備
お2人目の治療でクリニックへの通院を再開される場合、1~2年経ってからのケースが多いです。
ご事情によっては半年過ぎた頃からということもあります。