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妊活お役立ちコラム

2024/07/31

妊娠中/産後

つわりの原因は?悪阻で吐き気や気持ち悪い症状の軽減法・対処法

毎日の吐き気や、食欲が起きないなど、辛いつわりに悩んでいませんか?

妊娠初期に多くの女性を悩ませるつわり。


「おなかの赤ちゃんのためにも我慢しないと…!」と無理して乗り越えようとしてしまう方も少なくありません。


「仕事の日は夕方になると気持ち悪くて退勤の電車が大変なんです」


「気持ち悪くてとにかくしんどい…」


いつまでも続いてしまう気がして、中々おさまらないつわりに体力的にも精神的にも気が滅入ってしまいますよね。

つわりは一般的に安定期を迎えるあたりで落ち着くといわれていますが、いつまで続くか・症状はどれぐらい強いのか…、妊婦さんそれぞれ個人差があります。

しかし、つわりについて正しい知識をもてば、不安やストレスも軽くなり、適切に対処することで、症状を緩和する可能性があります。


本記事では、つわりの症状や原因、対処法について解説します。
  1. 01つわりとは
  2. 02つわりの対策
  3. 03東洋医学とつわり
  4. 04妊娠前からの鍼灸治療でつわりが軽減した事例
  5. 05まとめ




つわりとは

つわりが辛い妊婦さん
つわりとは、医学的には悪阻(おそ)といい、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐・食欲不振などのことをいいます。

妊娠初期〜安定期前後に多くの妊婦さんが経験するもので、症状にもいろいろな種類があります。

多くの妊婦さんが経験する

  • ・食べると吐いてしまういわゆる「吐きづわり」
  • ・逆に食べないと気持ちが悪くなる「食べづわり」

そのほかにも、眠気やだるさがひどくなる「眠りづわり」、よだれがたくさん出る「よだれづわり」などがあります。



つわりは個人差が大きい 

つわりといえば、吐き気や嘔吐の症状が代表的です。

約50〜80%の妊婦さんに起こるといわれますが、症状や期間には個人差があります。


「第一子の時は吐きづわりが辛かったけど、第二子はまだ少し楽ですね」


「10週前後が1番辛かった…」


「つわりがまったくなくてお腹の赤ちゃんが元気か心配だった」


という声も。

そのほかにもさまざまな症状があり、個人差が生じる原因もわかっていません。

体質や環境など、多くの要因が関わっていると考えられています。



つわりの原因 

妊娠により、つわりを引き起こす仕組みは解明されていません。

しかし、

  • ・hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の影響
  • ・黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響
  • ・代謝や血糖値などの変化による影響
  • ・自律神経の影響

などが関係していると言われています。



hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

妊娠初期にはホルモンバランスが急激な変化を起こします。

妊娠によって産生・増加するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が脳にある嘔吐中枢を刺激するため、吐き気や嘔吐を引き起こします。

妊娠初期に急激な上昇を短期間に起こして10週頃にピークとなります。

その後急激に減っていきますが、この変化が一般的なつわりの時期と重なることから、ヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG)がつわりに関与していると考えられます。



黄体ホルモン(プロゲステロン)

妊娠により黄体ホルモン(プロゲステロン)が増えると、ホルモンの影響で腸の働きが抑制され、体内にガスが溜まりやすくなります。

それにより、胃の不快感や吐き気を引き起こすと考えられます。



代謝や血糖値などの変化 

妊娠による代謝などの変化によって急激な血糖値の上昇や低血糖を起こすことがあります。

また、体内のビタミンや栄養素が不足することで、代謝や血糖値などに影響を与える可能性があります。

米国では、ビタミン不足によりつわりの症状が重くなるとの報告があります。



自律神経 

妊娠による生活環境やメンタルの変化からくるストレスなどで、自律神経が乱れてしまうことにより、匂いに対して過敏になる、眠気やイライラ、頭痛などを起こします。



つわりは、いつからいつまで?ピークは? 

一般的に妊娠5週目前後から吐き気や嘔吐症状があらわれます。

ただし、つわりは個人差が大きいため妊娠8週目頃から始まる方もいれば、まったくない方もいます。

つわりがピークとなるのは、一般的に妊娠8〜10週目前後にもっとも辛い時期を迎えるとされています。

その後、妊娠13週目までには、つわりの症状が落ち着き、ほとんどが妊娠16週目前後には治まります。




つわりの症状

つわりの症状は吐き気・匂いが気になってしまう・眠気やイライラなど多岐にわたります。



吐き気 

つわりは「船酔いをして気持ち悪いのが続いているような感覚」と表現されるように、胃や胸がむかむかして吐き気を催すこともあります。

食べても気持ち悪くて吐いてしまう方(吐きづわり)や、胃の中が空っぽだと胃液を吐いてしまう方もいます。

当院に通われていた患者さんにも、「起き抜けに気持ち悪くて胃液を吐いてしまった」という方がいました。

また、口にものが入っていないと吐き気を感じてしまう方(食べづわり)もいます。



匂い

「大好きだったラーメン屋さんの前を通ると匂いが辛くて気持ち悪くなった」


「ニンニクやネギを使った料理を食べた人が近くにくるとわかる」


妊娠前は感じなかったにおいが気になってしまう、香りに対して敏感になったり、良い香りだと思っていたにおいが急に不快に感じるようになり、吐いてしまう妊婦さんも。

中には、「炊き立てのごはんのにおいがだめなんです」という方や、大切なパートナーさんのにおいが気になってしまいつわり期間中は寝室を別々にしてました…という方もいらっしゃいました。



眠気・イライラ

「とにかく眠くて仕方ないんです」


いくら眠っても眠気が覚めず、特に症状が重い方だと日中や仕事中にも強い眠気に襲われて苦労している妊婦さんが多くいます。

また、妊娠中はいつもは気にならないような、ほんの些細なことが気になってしまいイライラしてしまう方も。

妊娠初期は体だけではなく心も不安定な時期です。

妊娠に対しての戸惑い、流産の心配、体調不良による日常生活がうまくいかないストレス、パートナーとの関係、つわりで仕事を休むことに罪悪感を感じてしまい不安になる方も多くおります。



妊娠悪阻(重いつわり) 

妊娠悪阻(にんしんおそ)とは、脱水症状をともなう重篤なつわりのことです。

頑張り屋さんな妊婦さんは「つわりはみんな経験しているし、いつかは終わるから我慢して乗り越えよう」としてしまいます。

重いつわりとの境界が難しいとされていますが、めまいや1日中の嘔吐などにより早産を引き起こすことも可能性もあります。

また、妊娠悪阻は症状によっては腎臓や肝臓へダメージを与え、また肺塞栓症やウェルニッケ脳症といった合併症を引き起こす危険があります。


  • ・嘔吐により口から栄養や水分がとれていない
  • ・体重が急激に減少している(妊娠前と比べて5%以上)
  • ・トイレの回数が極端に減る
  • ・激しいめまい

などがある方は、我慢せず、早めに担当医の診察を受けることが大切です。



つわりの対策

つわりの症状が人によって違うように、その症状の対処法も人それぞれ異なります。

その時その時の症状に合わせて、自分に合った対処法を見つけましょう。



食べづわりとは

食べづわりに悩む妊婦さん
食べづわりとは、空腹になると吐き気がするつわりのことです。



食べづわりの対策方法

食べづわりの症状はお腹が空いてくると症状が悪化します。

そのため、空腹な状態をできるだけ作らないようにすることが大切です。

ご飯をまとめて食べるのではなく、食事を小分けにして数回にわけて食べたり、飴やラムネ、ノンシュガーガムやするめ、酢昆布など、その時食べやすいと感じる味の物や長く口の中に入れておけるものもおすすめです。

実際に食べづわり対策で


「枕元に食べ物を常備してすぐ食べれるようにしていた!」


「仕事や通勤中は梅味のグミや飴に助けられました…」


という方も。


また、生姜もつわりを和らげられる食べ物として有名です。

しょうがの辛味成分が吐き気を抑える効果があります。

オーストラリアでは、生姜を摂取することで吐き気や嘔吐の症状が軽減されたときう研究結果もあります。

そのほかにも、ビタミンB6を摂取することで吐き気が軽減することが分かっており、欧米では治療薬としても推奨されています。

ビタミンB6は、カツオなどの魚類や肉、バナナなどに多く含まれています。

つわりが影響して思うように食事がとれない方は、つわりが治るまでサプリメントで補うのもおすすめです。



吐きづわりとは

吐きづわりとは、食べると気持ち悪くて吐いてしまう症状です。

食事をとったときに限らず、常に吐き気があり吐いてしまう場合もあります。



吐きづわりの対策方法

吐き気があるときに無理をして食事を摂る必要はありません。

炭酸水や野菜スープ、イオン飲料などで最低限の水分補給をしていきましょう。

しかし、水分も取れず吐いてしまう方は脱水の心配もあります。

産婦人科で吐き気止めを処方してもらえることもあるので、我慢せず相談してみましょう。

横になると楽になる方もいれば、座っているほうが楽だという方もいます。

姿勢を変えることで吐き気が和らぐことがあるので、楽な姿勢を見つけてみてください。



においづわりとは

においつわりとは、特定のにおいをかぐことで気持ち悪くなってしまうつわりのことです。

妊娠中はにおいに敏感になりやすく、妊娠前にはまったく気にならなかったにおいできもち悪くなってしまうことがあります。

例えば、


「ご飯が炊けるにおいが気持ち悪い」


「ニンニクや葱のにおいがだめ」


「豚肉を茹でるにおいがどうしても気になる」


など、特定のにおいにも個人差があり、また週数によっても平気な時と気持ち悪くなってしまう時があるようです。

気持ち悪くなるだけで吐かない方もいれば、においをかいだことで吐いてしまう方もいます。



においづわりの対策方法

一番の対策方法は、苦手なにおいが発生する場所を避けること!

とはいっても、電車やバスの移動中は難しいですよね。

そんな時はハンカチやマスクで鼻を覆うと少し楽になる場合があります。

また、料理中や温かい食べ物はにおいが立ちやすいため、出来合いのものを利用したり、うどんやパンなどの食べやすい食材に変えるのも対策になります。



よだれづわり

妊娠の影響で、唾液が大量に出るようになり無意識的に飲み込めず、口の中にたくさん溜まり不快に感じることを言います。

自分の唾液で気持ちが悪くなり、吐き気を催す場合や実際に嘔吐する場合もあります。



よだれづわりの対策方法

唾液をこまめに吐き出して、マウスウォッシュやレモン水などでうがいをすることで、よだれづわりの症状軽減につながります。

そのほかにも、食事の味をあえて濃くすることで唾液による不快感が和らいだり、食パンなどの吸水性のある食べ物もおすすめです。



眠りづわり 

「夜はちゃんと寝ているのに、とにかく眠くてしょうがないんです」


眠りづわりは、妊娠初期の患者さんが気になる症状の1つでよくお話しされます。

どれだけ寝ても眠かったり、眠気で身体がだるくて何もやる気が起きないなどの症状が出ます。



眠りづわりの対策方法

お仕事中や外せない用事がある時は難しいかもしれませんが、可能であれば無理せずに眠ってしまうのが1番の対処法です。

眠ることが難しい場合は、深呼吸やストレッチ、水分をとるなどの気分転換で少し和らぎやすくなります。



食べ方 

胃や胸のむかむか感に悩まされるのもつわりの特徴です。

柑橘系やミント系のものや、梅味などの酸味のあるもので口をさっぱりさせると、ムカムカがおさまることも多いので、試してみるのもいいかもしれません。

また、つわりがひどいときは無理をして 3 食きっちり食事をとる必要はありません。

食べられそうなものを少量ずつ食べる!を心がけましょう。



飲み方

脱水防止のため、水分補給はとても重要です。

当院の患者さんでもお水やノンカフェインの麦茶の他に、スポーツドリンク・オレンジジュースなどの酸味のあるドリンクを常飲している方が多い印象です。

ただしジュースや甘味のある飲み物は糖分が多いので、飲みすぎに注意が必要です。


「お水を飲むと気分が悪くなってしまう」


という方には炭酸水もおすすめです。


また、炭酸水に含まれている二酸化炭素には、便を柔らかくする効果があります。

固くて出にくくなっている便を柔らかくすることで、排便されやすい状態をつくってくれます。

また二酸化炭素は、胃を刺激することで胃酸の分泌を促進し、食べ物の消化をサポートする役割も持ちます。



歯磨き

つわり中、「奥歯に歯ブラシが当たる時にえづいてしまう」という方も少なくありません。

歯ブラシが奥歯や頬の内側に触れることで嘔吐反射を起こしてしまうことが原因となり、えづいてしまいます。

それを防ぐために、歯ブラシを口の中に入れた時の圧迫感が少ないヘッドにしてみるという方法もあります。 


また、キシリトールやミント味が気持ち悪くなってしまうという方には、子供用の甘い歯磨き粉で代用するのもいいでしょう。


どうしても歯ブラシに抵抗があるときは、デンタルリンスなどの液体歯磨きで代用するのもおすすめです。



服装

妊娠中は皮膚感覚が過敏になることがあります。

また、妊娠初期でお腹の膨らみが目立たない場合でも、下腹部の張り感が気になるという患者さんがとても多い印象です。


「マタニティ用の下着がすごく楽!!妊娠初期から早く変えれば良かった〜!」


というお声もよく耳にします。

つわりが辛いときは、全体的にゆったりとしてお腹周りに締め付けが少ないコーデがおすすめです。

身体が楽になるような服装を選んでいくのがポイントです。



日常の過ごし方、生活習慣

つわりの辛さには個人差があります。

まったくない人もいれば、ずっと気持ち悪いのが続いている人もいます。

何時ごろ始まり、何時ごろ落ち着いてくるか。

ピークは何週目なのか…など、辛さのベクトルは人それぞれです。

どんな妊婦さんでも、赤ちゃんを育てるために大事な時期であり、また、妊娠期間中は体内環境が大きく変化しています。


「もっと大変な人もいるんだから頑張らなきゃ…」


と限界ギリギリまで頑張ってしまったり、我慢してしまう妊婦さんもいらっしゃいますが、比べる必要はありません。

つわりには大前提で個人差があり、いつか気持ち悪いという辛さには終わりがきます。

まずはリラックスすることを第一に心掛けて心穏やかに過ごしましょう。



ビタミン(葉酸・ビタミンB6)

日本産婦人科ガイドライ2017

には、ビタミンB6の経口投与が「つわり」症状の緩和に有効性を示したとする研究報告があります。

また、米国産婦人科学会では、各国の複数の研究報告に基づいて、つわり症状に対する治療として、ビタミンB6を補充することが推奨されています。


厚生労働省では、18〜49歳女性のビタミンB6の耐容上限量は45mg/日としています。



 家族の協力 

妊娠中の体調不良に寄りそう旦那さん
つわりの症状は人によって大きく違います。

大きく違うからこそ、対応も人それぞれです。


何をしてほしいか・何をしてほしくないのかなどをパートナーとよく話し合い、2人で協力してつわりを乗り切ることが大切です。

他には、


「つわりが辛く、旦那さんも仕事が忙しくて家のことが全く出来ないときは、家事代行サービスを利用しました」


という方もいらっしゃいました。


こういったサービスを利用するのも一つの手かもしれません。



東洋医学とつわり

妊娠悪阻の東洋医学的病態は、妊娠により気が上衝し、気逆や気滞となり(胃気上逆)、さらに水滞が関わるとされています。



つわりの鍼灸治療

つわりの鍼灸治療の効果としては、
『産婦人科領域の鍼灸治療』筑波技術大学保健科学部保健学科 鍼灸学專攻 教授 形井秀一
社会福祉法人桜雲会点字出版部
に以下の研究の記載があります。

つわりに対する鍼灸治療の効果については、1981 年に、飛松らが妊娠悪阻81例に、内関、中に鍼治療を行い、平均すると1~2日の効果が多かったと報告した。
また、2002年、Smith らは、ランダム化比較試験を行ったが、悪心と気に対しては、伝統的な中医鍼治療群も、内関治療群も、偽鍼治療群も、鍼治療をしなかった群に比べて有意に効果があったと報告した。また、3群間では差はなかった。

以上のことから、鍼灸治療はつわりの症状を和らげる効果があると考えられます。


さらにそあら鍼灸院ではそれらをどのように解釈するか考察します。



そあら鍼灸院のつわりの鍼灸治療

当院ではまず患者さんの脈やお腹の状態を診て、お身体の状態を把握し、本治(病気の根本的な治療を目的とした方法のこと)をおこないます。

上記のように胸の熱や胃の不調など、どのようなメカニズムによって起きているかを鑑別するには、脈を診ることが欠かせないからです。


内関というツボは、胸の熱を取り悪心・嘔吐に効きます。胸に熱があるとムカムカして気持ち悪さや嘔吐につながると考えられます。


というツボは、胃の代表的なツボとなります。胃が正常に働いている場合は食べたものが口から肛門へ移動するように、上から下へという方向性です。しかし胃の不調が起こると、下から上への方向となり、内容物が逆流する状態となります。

そのため胃本来の働きを上げるために中というツボが効果的です。


他にも胃に関係するツボに裏内庭という足の裏にあるツボがあります。


このようにツボによる作用でつわりを改善することができます。

またつわりの症状や原因は様々です。

疲れると出たり、熱が上がってくると出たり。

それらはを特定する症状や原因は脈やお腹等に表れるため、その方に合ったツボを選ぶという伝統的な治療法があります。

さらに偽鍼治療群でも有意に効果があがるということは、鍼に依らずとも何らか身体的変化が起こることで改善するということです。



例えば仕事中は気にならないなど、気になっていない時間帯がある。

つまりなんらかの症状が気にならない状態を再現することで改善することができる訳です。



妊娠前からの鍼灸治療でつわりが軽減した事例

2人目の治療で当院に初診で来院された方の事例を紹介します。

2人目治療をきっかけに当院に来院されたAさんは、初診のときは「産後から不調がずっと続いている。首肩こりや、とくにPMSや日常のことでイライラしてしまうことが多くなった。」とお話しされていました。

治療の当初はシップや鎮痛剤が必要なぐらいのピリピリとした頚肩の痛みが続いており、脈を診ると脈という滞りのある脈が出ていました。

その結果、血の巡りに滞りがあり頚肩の痛みやイライラが生じておりました。

そのため、治療では血の巡りを改善するツボを使って治療を進めていきました。

そこから、週一回の鍼灸治療と自宅でのセルフお灸に取り組んでいただき、長く続いていた肩の痛みは6回程で改善。

同時に寝つきも良くなったそうです。


その後当院に来てから初めて挑んだ移植では見事着床しました。


念願の妊娠に喜んだのもつかの間、Aさんには1つ懸念点がありました。



それは…、つわりのことでした。



Aさんは、自然妊娠で授かった1人目のお子さんのときはつわりが辛く、毎日吐いて過ごしていたそうです。


「1人目は気持ち悪い時は寝てしのいでいたけど、今回は子育てと家事を両立しながらの日々になる。」


とご不安に思われていました。

しかし、いざつわりが始まると、症状が1人目のときより軽いことに驚きました。


もちろん、つわりの症状は週に数回出てしまうことがありました。
その際に特徴的に出ていた症状は大きく分けて二つです。




一つは胃のムカムカ。


みぞおちの張り、そして胃の脈に脈という滞が出ていたため、胸の熱を下に降ろせずに症状が出ていたこと。




二つ目に食べづわりや吐きづわり。


着床して2週間ほどはムカムカがメインでしたがそらがおさまってくると、食べづわりや吐きづわりが出るようになりました。

食べると楽になるものの吐いてしまうことがある。


この時は水の停滞が脈に表れていました。


これは食べた後に消化とともに痰飲という、余分な水分が発生すると東洋医学では考えます。

つまり水分の代謝が落ちた日は痰飲が多くなってしまい、痰飲を外に出す反応として吐いてしまうと考えられます。

そのためこの時期は水分の代謝を上げるツボを使い治療をすすめました。




治療後にAさんは、


「鍼灸治療を受けた後は気持ち悪さが軽減します。イライラも減ってものすごく穏やかに過ごせています」


とお話しされていました。

食滞といって食べ物や余計な熱が滞りを解消したり、停滞している水分を代謝できるようにしたことで、熱が減少しイライラの解消や気持ち悪さや軽減につながったと思います。


また、1人目より2人目のお子さんの方がつわりの症状が軽かったのは、妊娠前からの鍼灸治療によって身体のエネルギーの巡りが良くなっているベースがあったので症状軽減につながったのではないかと考えられます。



まとめ

つわりは妊娠初期〜安定期前後に多くの妊婦さんが経験します。

医学的には悪阻(おそ)といい、食べづわりや吐きづわりなどの症状が一般的です。

そのほかにも匂いやよだれ、強い眠気などさまざまな症状があり、体質や環境など色々な要因が関わっていると言われています。


つわりを引き起こす仕組みは解明されていませんが、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響や、代謝や血糖値などの変化、自律神経などが関係していると考えられます。

症状の重さにも個人差があり、中には妊娠悪阻(脱水症状をともなう重篤なつわり)になる方もいます。

妊娠悪阻は症状によっては早産や肺塞栓症やウェルニッケ脳症といった合併症を引き起こす危険がありますので、症状を我慢せず早めに医療機関を受診することが大切です。


また、それぞれのつわりにあった対策をしていくことも重要です。

中でも鍼灸治療は、つわりの症状を和らげる効果があるので今現在お困りの方、少しでも症状を緩和させたい方は是非一度ご相談ください。

この記事の著作者

鍼灸師 嶋田 香純

「東京漢方鍼医会」会員
より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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