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妊活お役立ちコラム

2024/02/11

不妊鍼灸

初期胚(分割胚)・二段階移植・SEET法(シート法)の着床鍼灸

初期胚移植と着床

二段階移植、SEET法いずれも、まず初めに初期胚移植もしくはSEET液注入、その数日後に胚盤胞を移植します。

そのためこの施術は、最初に初期胚移植(SEET液注入)をする際の準備、そしてその後の着床を促すことを目的とした鍼灸施術です。

二段階移植とは

初期胚を先に移植し、受精卵と子宮内膜がクロストークすることで着床環境を整え、着床率を上げることを狙いとしたものが二段階移植と言います。

クロストークは胚から成長因子など様々な物質が子宮内膜に働きかけることをいいます。

最初に初期胚を移植する際に、胚を受容できる状態に変化しながら、免疫学的には半分遺物である胚に対する免疫的寛容が誘導されて、時期をずらして移植される胚盤胞の着床が促されます。


SEET法(シート法)とは

二段階移植はリスクとして多胎妊娠の可能性があります。

そのため多胎妊娠を避ける方法がSEET法となります。

胚を培養する際に使用する培養液に、胚由来の成長因子等の物質が溶け込んでいると考え、胚を移植する代わりに培養液を戻すという方法です。

その培養液が子宮内膜を刺激し、胚盤胞が着床するための環境に整えられること目的としています。





この記事では、これより先SEET液注入は、二段階移植の最初に行う初期胚移植と同様と考えるものとします。

初期胚や二段階移植をする場合の鍼灸おすすめ日



着床鍼灸は基本的には着床にあたる日に鍼灸治療ができれば大丈夫です。

 例 2日目胚の場合は3-4日後
   3日目胚の場合は2-3日後


しかし
「初期胚を移植した日と着床の日の両方に施術を受けた方いいのでしょうか?」
という問い合わせ。

もしくは
「初期胚と着床の日の両日に施術を受けたいです。」
という希望が多くありました。



具体的に例えると
4月2日に初期胚(2日目胚)を移植した。4月5日に胚盤胞を移植したとします。

その場合2日と5日に施術を受けたいということです。


もし3日目胚を4月3日に移植した場合、胚盤胞移植は4月5日になるので、胚盤胞移植の日に着床鍼灸を行うことは変わりません。

移植日当日にできない場合は前日or翌日をおすすめしています。
(その場合も前日と翌日の両方とも受けたいというお申し出があり、実際に受けられるケースもあります。)




もともとは、2日間という時間的なことや、コストのこともあるし、それまでの準備が大切なので、胚盤胞移植の日だけの施術でよいと考えていました。


そんな中、初期胚移植の日と胚盤胞移植の数日間に2回治療を受けたいという希望。


そして移植のみならず、人工授精のを受けられる患者様からも

「人工授精の前と後どちらに鍼をした方がいいでのしょうか?その後の着床日辺りにも来た方がいいでしょうか?」

と聞かれることも多々あったので、私たちとしてもベストな施術のタイミングと効果の追求を考えるようになりました。


そのため上記のように希望のある場合は、両日の施術も行うにことにいたしました。



初期胚移植も胚盤胞移植も、可能なら移植の直前をおすすめしています。

胚盤胞移植は直前の施術をおすすめしている理由でも記載していますが、直前の施術で身体がほぐれ血流が良くなり、リラックスして臨めるからです。






ただし先ほども書いてある通り、移植や着床日にだけ施術をすればいいわけではありません。

なぜならそれまでの身体づくりが何より重要だからです。

そのためこちらの施術は、身体づくりが一定以上に達した場合に行わせていただいております。



通常、移植に当たっては、内膜の厚さや移植時のホルモンの状態をはじめ、子宮内の炎症がないこと、子宮内の細菌のバランス、免疫のバランス、子宮内膜着床能(ERA)など着床環境の状態が関係します。

また私たちはそれまでの身体づくりとして、妊娠しやすい脈(妊娠中の脈に近いやや熱を帯びた脈)やお腹(やわらかくて温かくふっくらしている)になっていることが大切だと考えています。



その身体づくりがどれくらい進んでいるかは下記の図で示しています。


赤いラインの80が理想。

オレンジの70は超えていたいところです。

最低でも緑の60は到達していないとうまくいかないケースが増える印象です。

そのため緑に到達した場合は、両日受けると良いと考えています。


まとめ

まとめると3STEPになります。

STEP1

移植までに身体づくりを行うこと。
(到達目標は緑)


STEP2

着床鍼灸を行う。

初期胚移植の場合
初期胚移植の場合は、初期胚移植の数日後の着床にあたる日(もしくは前後1日)。

二段階移植の場合
二段階移植の場合は、胚盤胞移植の日(もしくは前後1日)


STEP3(オプション提案)

身体の状態が緑まで到達している場合は、初期胚の移植日(SEET液注入日)の施術。





着床にあたる日に着床鍼灸をすることに加え、初期胚の移植日にも鍼灸をすることでより手厚いサポートとなります。



身体の状態のこと、移植の施術のことなど、ご不明点や詳しく知りたい点などありましたら直接お問い合わせください。


着床鍼 移植鍼灸



この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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