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妊活お役立ちコラム

2022/07/21

不妊カウンセリング

不妊治療していることを職場に伝える?

フルタイムで仕事をしている方が不妊治療を始めるにあたり、まず心配することが

「仕事と不妊治療の両立はできるか」

「職場に不妊治療を始めることを伝えるべきか」

でしょう。


職場環境によって伝えやすい・伝えにくいはあると思います。
著者・楠本も体外受精をし、妊娠・出産しました。

私は不妊治療を始める際、職場全員に伝えましたが、私のような職場環境は特殊。


今回は「不妊治療を職場に伝えるかどうか」をテーマにお話したいと思います。



厚生労働省による調査


厚生労働省は不妊治療を続けながら、働き続けられる職場作りを推進しています。

そこで実態や問題点の把握のためにアンケート調査もしていますので紹介します。


まず「職場に不妊治療をしている、今後する予定であることを伝えるか」のアンケート結果です。

 



職場には一切伝えていないという意見が最も多く、次点では上司に伝えています。


患者様からのお話では、7:3の割合で職場に伝えていない方の方が多い印象です。

また、不妊治療中の友人から話を聞くと、企業もコロナの影響でテレワークやフレックスタイム制度の導入が進んでいます。

そのため、わざわざ職場に伝えなくとも支障がでないという人も増えているようです。




ではどれだけ職場内では不妊治療をしていることを把握されているのでしょうか?

 



「分からない」が多いため、はっきりと細かく把握はしていないことが分かります。
「おそらくいると思うが、本人に確認したわけではない」が15%を占めるので、何となく不妊治療をしているのかな…
と思っているパターンもあるようです。



続いて「職場で不妊治療をしていることを伝えない理由」です。
 



最も多い理由が不妊治療をしていることを知られなくないから。

次は周りから気を遣われることを避けたいことが理由に挙げられました。


職場に不妊治療をしていることを伝えない理由の筆頭に「不妊治療をしていることを知られたくない」これは大納得です。

やはり、不妊治療はプライベートなこと。
あまり職場には伝えたくないですよね。



では治療していない人からすると、職場で不妊治療の有無は伝えてほしいのでしょうか?
こちらもアンケート結果がでております。


 

8割近く不妊治療をしていることを伝えなくてよいという回答でした。

伝えてほしい理由で最も多いものは「配慮・協力したいから」が最も多く、次に「失言を防ぐことができる」が挙げられました。


また、伝えなくてよい理由は「プライベートに関わる話だから」が最も多く次に「言う・言わないは本人の判断に任せる」が続きました。



次に著者・楠本が職場へ不妊治療を伝えるまでの経緯とその後について、また楠本の知人の体験をお話したいと思います。



職場への報告〜楠本の場合


楠本の場合、不妊治療を始めると急な遅刻が増え、先生方・患者様に迷惑をかけてしまいます。

何より職場は不妊治療専門の鍼灸院。

伝えない理由はありません。

治療はどのようなものか逐一伝えることが、自分ができるせめてものでした。

本当に恵まれた環境の中、不妊治療ができたと思っています。



ただ唯一、辛かったこと。
それは

「うまくいかなかったことも伝えなくてはいけない」

治療の結果報告は義務ではありません。

しかし、移植の日にお休みをいただいています。

お休みをいただいているならば職場に結果を伝えなくてはいけない、とがんじがらめになっていました。

とはいえ、自由に治療をさせていただく環境を用意してくださった先生方に感謝しております。



職場への報告〜楠本の知人の場合

知人は人工授精で妊娠しました。

通っていた病院は家からは近いものの、職場と逆方向。

どうしても遅刻が増えるため、上司にだけ不妊治療を始めることを伝えました。

ただし、仲の良い同僚にも話しません。
不妊治療を始めることをどうしても知られたくなかったからです。

遅刻が増えるから不妊治療をしていることもきっと勘付かれるのでは気が重い様子。

その後、同僚にも不妊治療を始めたことを伝えました。


そうするとその同僚は

「遅刻が増えたのは転職活動をしているのかと思った」

と言われたそうです。

知人は自意識過剰だったかもと振り返っていました。



楠本の考え

今回、厚生労働省でのアンケート結果を見て、思ったより職場は不妊治療で休むことを気にしていないのかなと思いました。

もちろん遅刻・欠席が増え、周りに仕事のしわ寄せが来てしまうかもしれません。

その場合、フォローしてくださる方々に感謝し、自分にできる範囲で精一杯行うことで周りも快くサポートしてくださるかもしれません。

また必要以上に不妊治療をすることに申し訳なさを感じてしまうと職場の雰囲気が悪くなってしまう可能性もありえます。



今後も仕事をしながら不妊治療を始める方はもっと増えるでしょう。
職場に迷惑がかかるからといって不妊治療を躊躇するのは勿体ないです。

今は不妊治療への理解を深めるために「不妊治療連絡カード」というものを医療機関に書いていただくことも可能です。

不妊治療と仕事の両立を頑張ることで、今後不妊治療を始める後輩たちに道を作ることができます。

仕事と不妊治療の両立は苦労もあるとは思いますが、より両立しやすい社会になればと思っています。


※参考資料
厚生労働省 「仕事と不妊治療の両立について」
(不妊治療中・近い将来予定している方または治療経験者への質問)30h-2.pdf (mhlw.go.jp)
(不妊治療の経験のない方への質問)https://www.mhlw.go.jp/


この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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