鍼灸治療は自分の自己治癒力を高めることだと言われます。
それはホメオスタシスといって、
「体が健康な状態を保とうとする機能」
を高めることで不調を取り除きます。
つまり
鍼で不調を取り除いているのではなく、
自分自身が治している
ということ。
「一番の名医は患者さん自身」と言われる所以です。
パレという16世紀の有名な外科医の言葉があります。
「我包帯す、神、癒し賜う」
病気やケガは、自然治癒力(生命力)をもつ患者さん自身が治し、
医者はその手助けをしている。
つまり、
患者さんの治る力(自然治癒力、免疫力、生命力、健康的な力etc)を
上手く引き出すことが重要だと言っています。
東洋医学ではヒトが本来持っている力を十分に発揮できる状態が健康な状態です。
その状態が妊娠する力も高いと考えます。
そして治療者がうまくその手助けをするためには、
精度の高い診察・診断をすることが必要です。
鍼灸の世界では、
顔や体の色の変化や舌をみたり、
声の調子、脈診、腹診、皮膚の状態を観察して診察します。
そのうえで診断をすると、
「どのツボを使うべきか」が出てきます。
体質や季節、暑い寒い湿度がある乾燥している、
感情や体調など様々な影響が絡み合っています。
体の状態は常に変化しているものなので同じ患者様でも「どのツボを使うべきか」は毎回変わります。
状況にあったツボを使うことが、
元々持っている力を最大限に引き出す治療になります。
不妊治療にはこのツボ!という決まりきったツボはないのです。
自分の本来持つ力を最大化する根本的な治療が妊娠への近道。
そのような状態は血流も良く身体も温かいものです。
決して鍼をするから妊娠しやすくなるわけではなくて、
患者さん自身の力を引き出すツボを使うことで、
本来持っている力が引き出されて妊娠しやすい身体へと変化していくのです。