ロング法・ショート法では排卵しないようにスプレキュアなど(GnRHアゴニスト製剤)の点鼻薬を使います。
スプレキュアなどのGnRHアゴニスト製剤を使う目的は大きく2つあります。
@GnRHアゴニスト製剤を使うことでLHの分泌が抑制されます。
その間に卵胞を育てるホルモン(hMG製剤・FSH製剤)を注射することで卵巣を刺激して、複数の卵胞を均一に育てる。
A採卵の前にLHサージがかからないようにして、勝手に排卵してしまうことがないように抑える。
GnRHアゴニスト製剤を使い続けることで起こるこの作用は、
ダウンレギュレーションといってゴナドトロピン分泌の低下が起こって、卵巣からのエストロゲンの分泌は抑制されます。
ダウンレギュレーションの仕組み
@ 通常は、GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が受容体(レセプター)にはまることでホルモンを出します。
ここでGnRHアゴニスト(スプレキュアやナサニール)を投与します。
GnRHアゴニストは、自分が通常出しているGnRHより受容体との結合力が強いのです。
そのため、自然に出ているGnRHより高確率かつ強力に、GnRHアゴニストが受容体にはまります。
すると、より強力に脳下垂体前葉という部分からゴナドトロピン(FSHやLH)がドバーッと出ます。
このドバーッと出る現象を「フレアアップ」といいます。
フレアアップとは投与初期に一過性にエストロゲンの分泌が亢進する現象のことです。
このとき生体は、
このままでは出し過ぎだからヤバイ!!
ソウダ!!しばらく受容体の数を減らすことで様子をみよう・・・
となるんですね。
そのため受容体が減って(ダウンレギュレーション)しまったため、GnRHアゴニストがはまりこめなくなります。
こうしてFSHやLHが出なくなります。
つまり、ダウンレギュレーションは生体の一種の防御反応であるとも言えます。
この防御反応を不妊治療ではロング法やショート法での卵巣刺激の際に応用しています。
ロング法・ショート法を行う方へ 不妊鍼灸でしておくとよいこと
卵巣や子宮へ血流がしっかり届くかどうかはとても重要です。
鍼灸をすることで良好な血流循環が期待されます。
特にロング法やショート法など卵巣刺激をしている時期は、
血流を促し脳から卵巣へ運ばれるホルモンを行き届かせるため、大切な時期となります。
以下のような自宅妊活(セルフケア)もおすすめです。
→冷えないようにして血流を悪くなるのを防ぐ。
→ウォーキングや腸腰筋の運動で卵巣への血流流入を促進。
採卵周期で卵巣刺激をされる際には、
良好な血流と保ち反応しやすい卵巣環境の準備をして臨みましょう。
そあら鍼灸院では、
鍼灸治療に加え、卵巣へ血流が届きやすくする自宅妊活(セルフケア)をお伝えしています。
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