患者様から「移植後にデュファストンを飲んでるけど基礎体温上がらないんです」
と質問がありました。
移植後の大事な時期、
ホルモン剤を飲んでいるのに基礎体温が上がらないと心配になってしまいますよね。
でも安心していただいて大丈夫。
デュファストンに基礎体温を上げる作用はありません。
デュファストンは基礎体温は上がらない。ルトラールは基礎体温が上がる。
高温期に出る黄体ホルモン(プロゲステロン、P4)は、
子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態にします。
基礎体温の上昇させる働きがあるので、
「高温期の維持=黄体ホルモンがしっかり出ている」
と判断する事ができます。
デュファストンやルトラールなど、
黄体ホルモン剤を処方される方は多いと思いますが、
体温にどう影響があるのでしょうか?
デュファストン
「基礎体温上昇作用はないので投与中に上昇すれば排卵と推定可」
ルトラール・プロゲデポー
「増殖相の子宮内膜を分泌相に変化、基礎体温上昇作用」
「今日の治療薬」2013年版(第35版) 南江堂
このように同じ作用の黄体ホルモン剤でもデュファストンには体温を上げる作用はなく、
ルトラール・プロゲデポーには体温を上げる作用があります。
よく処方される黄体ホルモン剤は、
飲み薬
- デュファストン
- ルトラール
- プロベラ
注射
- プロゲデポー
- プロゲステンデポ−S
- プロゲホルモン
膣座薬
- ルティナス
- ウトロゲスタン
- ワンクリノン
- ルテウム
等が挙げられます。
安定した高温期は低温期がカギ〜そあら不妊鍼灸の考え〜
高温期安定のキーポイントは低温期。
それは低温期に卵胞が育ち、排卵後にその卵胞が黄体となり黄体ホルモンを出すからです。
なので高温期になってから鍼灸をするよりも、その前提となる低温期が大事です。
さらに良い卵胞、卵子を育てるために、
連続して安定した月経周期があることがポイント。
翌周期、翌々周期とホルモンバランスの整った周期へ整えるように治療計画を立てます。
理想の不妊鍼灸のペースはおおむね週一回でこの連続した周期を安定させます。
その中でも特に低温期の治療は重要でしょう。
良い卵胞が低温期に育つよう卵巣環境を整えます。
毎日、高温期が安定しているか気になってしまうこともあるかもしれません。
体温が下がっても連日でなければ、たまたま外の環境の影響なだけかも。
安定したホルモンバランスのために副交感神経は大事です。
高温期はそういう心配があっても、その影響を取り除き安定できるようにサポートいたします。
ツボ選びは任せてください。
そあらの鍼灸の効果の狙いは、
「体が緩むと心が緩む、心が緩むと体が緩む。体が変わり人生が変わる。」
です。
心も体も緩めてあげてホルモンバランスが整う体にしてあげましょう。
まとめ
- デュファストンは基礎体温上がらない
- ルトラールは基礎体温が上がる
- 高温期安定のポイントは低温期(不妊鍼灸での対応)
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