体外受精での移植において胚のグレードは皆様にとって気になる点の1つだと思います。
病院によってグレードのつけ方は異なります。
グレードのつけ方は基本的に
・形態=見た目
・受精卵の分割スピード
の2点から評価します。
つまりグレードの高い胚は見た目がきれいで分割スピードの早いもの。
グレードの低いものは見た目が多少いびつで分割スピードがゆっくりなものとなります。
グレードのつけ方にはVeeckの分類(初期胚)、Gardnerの分類(胚盤胞)があります。
Veeckの分類(初期胚)
Grade1 細胞の形態が均等でフラグメンテーションを認めない胚
Grade2 細胞の形態が均等でわずかにフラグメンテーションを認める胚
Grade3 細胞の形態が不均等な胚。または少量のフラグメンテーションを認める胚
Grade4 細胞の形態が均等or不均等でかなりのフラグメンテーションを認める胚
Grade5 細胞をほとんど認めずフラグメンテーションが著しい胚
※フラグメント
細胞の中にある小さなブツブツ。
胚が分割している間に細胞から剥がれて遊離している状態。
フラグメントがの割合が高い場合胚の成長の妨げになり、胚盤胞まで育つ確率が下がるとされています。
発生原因は不明とされています。
Gardnerの分類(胚盤胞)
@ 胚盤胞腔の広がり、孵化の程度
A 内細胞塊(赤ちゃんになる部分)
B 栄養外胚葉(胎盤になる部分)
この3つに分けて評価しています。
@ の部分は数字での6段階評価になります。
1 初期胚盤胞 胚盤胞腔が全体の1/2以下
2 胚盤胞 胚盤胞腔が全体の1/2以上
3 完全胚盤胞 全体に広がった状態
4 拡張胚盤胞 胚盤胞腔が更に拡張し、透明帯が薄くなりつつある
5 孵化中胚盤胞 透明帯より栄養外胚葉が外にぬけつつある
6 孵化後胚盤胞 透明帯より完全に脱出した胚盤胞
ちなみに移植前にアシステッドハッチング(AH)をされる方もいらっしゃいます。
胚盤胞まで育った胚は薄くなった透明帯から脱出して着床します。
アシステッドハッチングは胚が脱出しやすいように透明帯にキズを入れる方法です。
Gardnerの分類で5の数字がついていた場合は自力で脱出できているのでアシステッドハッチングは不要な状態になります。
A Bはアルファベットに分類され、
左側のアルファベットがAの赤ちゃんになる部分。
右側のアルファベットはBの胎盤になる部分をの評価を表わしています。
A 細胞数が多い
B 細胞数が普通
C 細胞数が少ない
例えばグレードが「4AB」とあった場合
@拡張胚盤胞
A赤ちゃんになるところの細胞数が多い
B胎盤となるところの細胞数が普通
という評価になります。
さいごに
正常な良好胚でも2、3割に染色体の異常があると言われています。
また、グレードが高ければ染色体の異常がないとは言いきれません。
しかしグレードの高い胚自体の方が着床率が高いという発表があります。
胚の状態は妊娠にとって重要な要素です。
そあら鍼灸院では質のいい卵子が得られるよう、脈やお腹づくりをすることで身体づくりをしております。
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