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妊活お役立ちコラム

2022/09/17

妊娠中/産後

妊娠中・妊婦さんのビタミンAどれくらい摂りすぎると良くないの?

「妊娠中にビタミンAを摂りすぎると、赤ちゃんが奇形になるといわれているから不安」


「ビタミンAは摂りすぎると良くないと聞くけど、妊娠中に必要な栄養素だからちゃんと食事に摂り入れたい。
でも、一体どれくらい摂ると良いのか分からないと安心できない」


という声を患者さんからよく耳にします。

妊娠中だからこそ、赤ちゃんと自分のためにもバランスよくビタミンを摂っていきたい!



そのために、


・過剰摂取を避けるために気をつけた方がいい食材は?

・お母さんと胎児が健康でいるために必要な、ビタミンAの一日の摂取量はどのくらい?


についてお伝えしていきます!



ビタミンAについて




ビタミンは、

・水溶性ビタミン(ビタミンB群、ビタミンC)

・脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)

に分類されます。


水溶性ビタミンは、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。
摂取後は血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されるため、体内で多くなり過ぎることはあまりないと考えられています。

一方、脂溶性ビタミンは文字通り水に溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。
身体の機能を正常に保つ働きをしていますが、摂りすぎると過剰症を起こすことがあります。

ビタミンは体内でほとんど作ることができないため、食品から摂取する必要があります。


ビタミンAは、脂溶性ビタミンに分類されており、視覚・聴覚・生殖の機能維持、皮膚や粘膜の機能保持の役割や、妊娠中は胎児の発達に必要な栄養素です。

成人が不足すると、免疫異常、皮膚や粘膜の乾燥や、夜盲症(暗いところや夜に見えにくくなる病気)などの視覚障害などを起こすことが知られていますが、現在の日本の食生活から、不足することは少ないようです。

しかし、その一方で、サプリメントなどの健康食品やビタミンAの含有量の多い食品(レバー等)を多量に食べることで、腹痛・めまい・嘔吐などの急性症状や、関節痛・皮膚の乾燥などの慢性症状が出る可能性があります。

そのため、妊娠中は、必要量のビタミンAを摂取しつつも妊婦の推奨量を超えるような過剰摂取をしないよう注意喚起されています。




妊娠中にビタミンAの摂取に注意が必要な理由


脂溶性ビタミンは、胎盤を経由して母体から胎児に供給されています。


ビタミンAは胎児の

・眼の健康維持

・免疫機能のシステム

・骨格の促進と維持&発育

に必要不可欠です。


しかし、過剰摂取すると、胎児の形態的な異常が増加すると言われています。
不足した場合も、同様に形態的な異常・体の成長が止まってしまう可能性があります。


18歳以上のビタミンAの摂取上限は、2700(RAE/日)です。

厚生労働省出典:日本人の食事摂取基準(2020 年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書
を参考に、各年齢と妊娠時期の推奨量をご紹介します。



<妊娠初期〜妊娠中期>(〜28週未満)

・18〜29(歳) 650(RAE/日) 

・30〜49(歳) 650(RAE/日)

・50〜69(歳) 700(RAE/日)



<妊娠後期>(28週以降〜)

・18〜29(歳) 730(RAE/日)

・30〜49(歳) 730(RAE/日)

・50〜69(歳) 780(RAE/日)



ビタミンAを多く含む食品 



鶏肉などの動物性食品と、にんじんなどの植物性食品に含まれています。

日常的に食べる機会の多い動物性食品と植物性食品の含有量についてご紹介します。



<動物性食品でビタミンAを多く含む食品>
※食品100g当たりのビタミンAの含有量 単位:μgRAE(レチノール活性当量)

・鶏肉(レバー) 14000(μgRAE/100g)

・豚肉(レバー) 13000(μgRAE/100g)

・うなぎ(かば焼)1500(μgRAE/100g)

・牛肉(レバー) 1100(μgRAE/100g)

・鶏肉(ハツ) 700(μgRAE/100g)

出典:内閣府食品安全委員会『ファクトシート』


レバーにはビタミンAが多く含まれていますが、種類や部位によって含有量は違います。
普段の食事では部位を選びながらメニューを考えることも重要です。



<植物性食品でビタミンAを多く含む食品>
※食品100g当たりのビタミンAの含有量 単位:μgRAE(レチノール活性当量)

・にんじん  720(μgRAE/100g)

・ほうれん草(茹で)  450(μgRAE/100g)

・かぼちゃ(西洋) 330(μgRAE/100g)

出典:内閣府食品安全委員会『ファクトシート』



動物性食品と比べると全体的に含有量は少なくなっています。

また、植物性食品にはビタミンA自体は含まれておらず、体内でビタミンAに変換されるカロテンが含まれています。

このうちのβ-カロテンは体内でビタミンAが不足している場合にのみビタミンAに変換されます。

そのため、植物性食品を推奨量以上食べたとしても、必ずしもビタミンAの過剰摂取になるというわけではありません。



 動物性食品とサプリメントに注意




動物性食品に含まれるビタミンAは、レバー・うなぎのかば焼きなどに多く含まれています。


家庭料理では、

・焼き鳥のレバー串1本(鶏レバー30g)…4,200μgRAE

・レバニラ炒め1人前(豚レバー60g)…7,800μgRAE

焼き鳥のレバー串を食べた場合、1本で約1週間分のビタミンAを摂取していることになります。
毎日レバーばかり食べ続けるなどの極端な食べ方をしない限りは、上限量に達することはありません。


しかし、普段から複数のサプリメントを常飲している方は、知らず知らずに摂取量を超えている可能性があるため、注意が必要です。

妊娠中は、「ばっかり食べ」に気をつけましょう。


まとめ


ビタミンAは、妊娠中は胎児の発育に必要な栄養素です。

レバーなどの動物性食品の食べすぎやサプリメントによる過剰摂取には気を付けましょう。

植物性食品からビタミンAを摂ることで妊娠中も安心して過ごすことができます。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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