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妊活お役立ちコラム

2024/08/13

不妊鍼灸

卵子の質や老化対策にミトコンドリアの活性化を

不妊治療を始めてもなかなか結果がでない。

不妊治療は一般的に年齢が若い方が結果を出しやすいのに、妊活を始めてかなりの年月が経ってしまった。

「卵子が老化しているのでは?」と気になる。

そのように焦ってしまう方もいらっしゃると思います。

今回は老化に関係する卵子とミトコンドリアについて解説します。

    もくじ


卵子の老化とは?

そもそも卵子の老化とはどのような状態でしょうか?

女性は性の機能から

胎生期→小児期→思春期→性成熟期→更年期→老年期

によってホルモン分泌が変化します。





性成熟期を越えると身体の中の細胞が減少したり、臓器が委縮したり、機能低下が発生します。

そして卵子は胎生期、お母さんのお腹にいる頃に作られており、新しく作られることはありません

老化すると卵子の染色体異常が増加し、質の落ちた卵子が増えてしまいます。

まだ卵子の質の低下のメカニズムは明らかになっていません。

しかし現在、ミトコンドリアが関係するのではないかという説があります。

日本IVF学会での2018年度の学術集会では以下のことが発表されています、

融解後の桑実期胚における酸素消費量は患者年齢の上昇と共に減少した(R=0.492, P<0.05)。これは桑実期胚でのミトコンドリア機能が加齢に伴い低下することを示した。

出典: 結果 | ヒト初期胚のミトコンドリア機能と加齢との関係 | 一般社団法人日本IVF学会

ではミトコンドリアとはいったいどんなものなのでしょうか?


ミトコンドリアって一体なに?

生物の授業で耳にしたことがあろうミトコンドリア。

一体どんな働きをしているのでしょうか?

ミトコンドリアは60兆個ある人間の細胞それぞれに1000個ほど存在します。

細胞が働くためのエネルギー(アデノシン三リン酸)を作るミトコンドリアは発電所と例えられ、95%はミトコンドリアで作られています。

卵子は増えることはありませんが、ミトコンドリアは細胞が必要とした時に増やすことができます。

一方、ミトコンドリアはエネルギーのみを作り出すのではなく、一緒に活性酸素も発生します。

活性酸素とは体を錆びさせ、老化の原因の1つ。

加齢やストレスでミトコンドリアの働きが悪くなるとますます活性酸素が作られやすくなり、悪循環に陥ります。


卵子の老化とミトコンドリアの関係は?

ミトコンドリアは加齢と共に減少します。

では細胞のエネルギーを作るミトコンドリアと卵子の老化はどう関係するのでしょうか?

お腹が空いて疲れたまま働くと仕事のミスが発生しやすいように、ミトコンドリアが少ない状態だと卵子の働きがスムーズにいきません。

卵子と精子が受精し、細胞分裂を繰り返し胚盤胞に成長しますが、そこで染色体の分配がうまくいかず染色体異常のある胚が増えてしまいます。

また、先ほど述べたようにミトコンドリアの数が減ったり働きが悪かったりすると活性酸素が作られやすくなると細胞が錆びついて機能低下を引き起こしてしまいます。

卵子の老化についてはこちらで解説しています。


ミトコンドリアを活性化させて卵子の老化を食い止める!



ミトコンドリアは自分で増やすことができます。

ポイントとなるのは食事・運動・体の温めです。


ミトコンドリアを活性化する食べ方

ミトコンドリアを増やすには

  • ・ビタミンB2を積極的に摂る
  • ・空腹の時間を作る
などが挙げられます。

ビタミンB2は体内のエネルギー産生や代謝に関わる栄養素ですが、ミトコンドリアの活性化にも関わります。

ビタミンB2は老化したミトコンドリアを活性化させるため、老化を食い止める働きがあります。

ビタミンB2が多い食品は肉類(特にレバー)、乳製品、卵などです。

また、敢えてエネルギー不足な状態を作ることでミトコンドリアが活性化します。

つまり意識的に空腹な時間を作ることがでミトコンドリアを活性化させることできます。

そこで短い期間食事を絶つファスティングもミトコンドリアの活性に繋がるとされています。


ミトコンドリアを活性化する生活習慣

運動をする際に筋肉が収縮される時にエネルギーが使われます。

このエネルギーのほとんどはミトコンドリアから作られるため、継続的な運動はミトコンドリアの活性を促します。

また、ミトコンドリアは36.5度以下で働きが低下し、37度が最も活性化します。

身体を温めることもミトコンドリアの活性には必要となります。


そあら鍼灸院の考え〜ミトコンドリアが働きやすい環境に〜

当院の治療では血流をよくし、自律神経のバランスを整えて体の機能を高めるための治療を行っています。

例えば、空腹時にミトコンドリアは活性しやすいと先ほど解説しました。

しかし、胃腸の調子が悪く胃がもたれやすく空腹感を感じにくいという人もいるかと思います。

患者様の中には鍼灸治療を受けている間にも胃腸の働きが活発になり、お腹がグルグル動きやすくなります。

また血流をよくして体を温めることは子宮や卵巣に血流を送りやすくするだけではなく、ミトコンドリアの活性化にも繋がります。

このように当院の治療はミトコンドリアを働きやすくして老化を食い止める働きがあります。


原因不明の不調を改善させて妊娠に繋がった患者様の事例



ここで当院に通われていた患者様の症例を紹介します。

37歳Aさんは当院の治療を受けるまでに3つの婦人科の手術を受けていました。

子宮・卵巣の状態は綺麗になったこのタイミングで妊活を積極的に取り組みたいと思い、当院での鍼灸治療も希望されました。

常に原因不明の不調に悩まされており、妊活とともに体の不調も改善させたいと語るAさんはご自身でも積極的に体質改善に取り組まれていました。。

まずはヨガを始め、呼吸を深くした上で身体をよく動かすようにしました。

その後は以前から興味があるとお話したファスティングに取り組みました。

1回目のファスティングが終わった後、肩凝りが楽になったと話され、その後も定期的にファスティングを取り入れていました。

その後、Aさんは体外受精にステップアップされ、1回の採卵で胚盤胞を5個凍結できたほどです。

胚盤胞移植で無事に妊娠され、現在安定期を迎えています。

定期的な鍼灸治療で自律神経の乱れや血流を改善させて身体の機能を高め、ヨガで身体を積極的に動かし、ファスティングも取り入れてミトコンドリアを活性化させた症例といえます。


まとめ

卵子の老化は多くの患者様が悩まれているケースです。

ミトコンドリアと卵子の老化の関連性が発表されたため、自身で老化を緩やかにするための手段があることが分かりました。

自分でのセルフケアでより効果が発揮しやすくなるために、私たちも鍼灸治療を通じて皆様が赤ちゃんに出会えるお手伝いができたらと思います。




この記事の著作者

鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 楠本 敦子

「東京漢方鍼医会」会員

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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