大切に育てた胚の移植。
万全な準備をしてお迎えしてあげたいもの。
胚移植に関する鍼灸の研究機関での発表もあり、胚移植の日に鍼灸をするといいと聞いたことがあるかもしれません。
少しでもいい状態で移植をしたいものですよね。
2012年のことですが統計を取る余裕があったころ調べていました。
すると着床率が最も高かったのが、移植日当日でした。
移植日当日の中でも、可能であれば移植直前の着床鍼灸をおすすめしています。
胚盤胞移植直前?移植後?どちらがいい?
「胚盤胞移植当日のはりは、移植前と移植後だとどちらの方がいいですか?」
と聞かれることもよくありました。
ご来院できる方には胚移植直前をおすすめしています。
なぜ胚盤胞移植直前の着床鍼灸なのか
過去に、
「移植で待っている時に寒くて身体が冷えて、緊張も重なって…冷えて硬くなった状態で移植をして残念でした…」
と移植後に来院された患者さんがお話されたことがあます。
その時から移植の前に温かい状態、血流のいい状態、緊張が緩んだ状態で臨めるといいなと思ったわけです。
緊張しやすい方からは、
「色々話もできて気分が紛れました」
と言っていただけるので、心理的にもプラス作用があります。
鍼灸をした後は血流がよくなり身体が温まります。
自律神経が整って、緊張が緩んだリラックスした状態になります。
その時から「温かくリラックスした状態でお迎えできれば」と強く思いました。
そのため現在では院長の松本は移植直前に身体が緩む「プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション」という施術を行っています。
着床の鍼灸を受けながら、「私の話していることを聞くだけ」というものです。
実際に受けられた41歳A・Kさんの体験の声です。
「はじめは、うつ伏せになり松本先生の言葉を心の中で繰り返していたのですが、途中から体の力が抜けてきて起きてはいるのに半分意識がないような感覚になり、終わった時には知らない間に強張っていた身体がとてもリラックスしているのがわかりました。
いつも移植は毎回そわそわしてしまい、移植後の30分の安静時間もスマホを見たり目が覚めてしまっていたのですが、リラックス状態が続いていたのか目をつぶってしっかり休むことができました。その後もすっきりしていて心地よかったです。」
鍼灸の作用
血流促進作用があり、中枢神経を介して交感神経の過緊張を和らげます。
そして
「ホメオスタシス」と呼ばれる身体を健康な一定状態に保とうとする機能があります。
自律神経系、内分泌系(ホルモン等)の全身への作用により血流の調整や免疫系に効果的に働き、身体の健康を保ちます。
末端(ツボ)から中枢(脳)へ刺激が伝わり、内蔵の働きを支配している自律神経系やホルモン系を介して内臓が調節されるのです。
移植の時間は病院によりさまざま
移植が午後から始まる場合は、
直前の治療が可能になります。
また近所の病院での移植の場合は、
自由時間の間に受けることが可能です。
移植後の鍼灸治療の場合は、
冷やさないようにして緊張しやすい方は腹式呼吸等で自律神経を整えて移植をお迎えください。
移植後にしっかりとお身体を整えさせていただきます。
移植日の予約について

移植の患者様は毎日午前11時代は優先してご予約をお取りできます。
移植日が決まりましたら、お早めに確保をお願いいたします。
また移植日までに身体づくりの準備をしておくことが大事です。
移植までに4-6回施術をして身体づくりをしておくと着床鍼灸の効果がより発揮できます。
内膜が薄めの方は腸腰筋のトレーニングもお勧めです。
(骨盤内で内腸骨動脈という動脈があり、その枝に子宮動脈があります。その血流を促進するためです。)
移植の日を大事にして細かく治療日を設定しておりますが、大事なことは良い状態で臨めることです。
最後はリラックスしてお迎えしてあげましょう。
2017年よりそあら鍼灸院では、胚盤胞移植直前直後の鍼灸も行っています。
2018年には胚移植の直前および直後に鍼治療を受けると妊娠率が上がるという論文も発表されています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。