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妊活お役立ちコラム

2022/04/16

不妊カウンセリング

自分の体は自分が1番分かるって本当?

当院に通われる患者さんで

「検査も問題ないし、自分自身も冷えているわけでもないし元気です。でもなかなか妊娠しないです。」

当院に通われる患者様で、こうおっしゃる方は多いです。



検査に問題がないとホッとする半面「問題ないなら何故自分は妊娠しないのだろう。」と思ってしまいますよね。

同じような立場の方は多いのではないでしょうか?

そしてあなたが同じように「検査に問題ないけど妊娠しない」ならば今後妊活のためにどうされますか?



私達鍼灸師の立場からすると

「検査に問題がないけど妊娠しない。」

そういった方にお勧めなのが鍼灸や漢方など東洋医学からの視点で体をみる事です。


この前妊娠された40歳の方は有名なクリニックで、
「問題が見つからないから体外受精に進んでも結果が出ないかもしれない」
とおっしゃられたそうですが、東洋医学的にはより良い状態にできるポイントはいくつも発見することができました。


別の視点から体の状態を見れば妊娠しにくい原因が見える事があります。

しかし内心こう思う事はありませんか?

「確かに東洋医学の視点からみれば何か分かるかもしれない。でも私は健康で元気だから体調の面では特に問題がないと思う。」




日常生活に支障なく毎日元気に過ごせていればそう思う事に無理はありません。

私自身も「自分の体は自分が一番分かっている。体調は問題ない」そう信じていました。

しかし今では「自分の体は自分が一番分かっている」


自分の経験を通して私はこの言葉に懐疑的になりました。


自分の体だからこそ気づきにくい事があります。

今回は気づきにくい自分の不調について、著者・楠本の経験を交えてお話します。



【不調に気付けなかったカラ元気】


私と話をした事がある方は分かると思いますが、私は周りから「元気な人だね」と言われます。

大学では応援団チアリーディング部出身。

応援が仕事なので、まずは自分が元気でなくてはいけません。


暑がりで手足は常に熱く、脈をみる時には「先生の手は温かいですね」と言われたこと多いです。

そんな人間なので、自分自身は「基本元気。ただし食生活に偏りがある」と自覚し、

妊娠を希望するようになってからは

「食生活を改善しなきゃ」

程度にしか考えていませんでした。



【鍼灸師の先生方も首をかしげる私の脈】

毎月鍼灸の学会に参加しているので、何回も人の脈を診る・診られます。

そこで必ず言われる事は

「元気な楠本さんの割に脈には元気がないね」

茹でる前の素麺のような細く固い脈と思っていましたが、

大きな男性に比べれば小柄な自分の脈はこんな細さだとしか思っていませんでした。

脈は確かに細いけど手足が温かく、10キロランニングできる体力があるから気にしていませんでした。



【あまりに妊娠できず自分の体と向き合う事に】


妊活を始めて1年程で妊娠できたものの、流産。

1度は妊娠出来たからまたすぐ妊娠できるだろうと高を括っていたもののなかなか妊娠できず、人工授精5回を経て体外受精を始めました。

このままではいけないと危機感を感じ、ここでようやく自分の体と向き合う事となりました。

まず、自分は本当に健康なのだろうか?と疑ってみる事にしました。



【実は元気はない?】

改めて自分の体と向き合うと意外と元気のない自分に気が付きます。

まず仕事が終わった後の疲労感。

仕事帰りはクタクタになって帰り、買ったお惣菜を食べてからシャワーを浴びてスマホをいじりながら寝る。

朝起きても体は常にだるいけど、患者さんに会うとスイッチが入り一気に元気な自分に切り替わる。

この疲労感は体力の無さからきていると思ったので、体力作りのためにランニングをしていました。
(ダイエットもありますが…)


手足は温かいけど、お腹はひんやりしている。

改めて意識してみると意外と元気のない自分の体に気が付きます。



【ズバっと体質を告げたおばあちゃん鍼灸師】

私は普段の学会とは別に女性鍼灸師だけの勉強会に参加していました。

80過ぎたおばあちゃん鍼灸師の先生を囲んで実技中心の勉強会です。


ある日私が患者さん役として治療を受ける事になりました。

そこで私の体のボロボロさをズバズバと指摘されます。

冷えを一切自覚が無かった私ですが強い冷えを指摘される事に。


お腹を触ると表面だけでなく奥の方まで冷えています。

私の体は深層部が特に冷えていたため、手足の表面に熱が追いやられていたのです。

手足が温かったために冷えを自覚しにくかったのではないかとおばあちゃん先生は話します。


「いやいや、そんな事ないです」

と言い返したかったのですが、

私にとって師匠の1人であるおばあちゃん先生には何も言えませんでした。



【今思えば指摘を受けていた】

おばあちゃん鍼灸師からの指摘に衝撃を受けましたが、思い返すと私の空(から)元気を教えてくれた鍼灸師の先生は何人もいらっしゃいました。

「楠本さんは少ないエネルギーを必死に回しているからぱっと見は元気だけど実はとても疲れているね。」

「いつも笑顔で元気だけど辛いことがあっても全部笑ってごまかしているんじゃない?」

こんな指摘は何度も受けていました。

ありがたい忠告を私が受け止めずに受け流していただけでした。

「元気な自分」にアイデンティティーを感じていたのか指摘されても信じられないでいました。

脈が細い理由はこんなところに表れていたのです。


【どうして自分の体質に気付けない?】


どうして自分の体なのに気付けなかったのか。

それはあまりに日常と化していたのでこんなものだろうと思っており、危機感がありませんでした。

身長など外から見える点は人と比べる事ができますが、体の内側を比べる事は出来ません。

私の場合、仕事終わりに疲労感が強いことも、常に体がだるかった事も「仕事していればこんなものだろう。」としか思いませんでした。

お腹の冷えも触ってみたら分かりますが、手足に比べて自覚症状は乏しいです。

自分で気付かないならば人の指摘してもらわないと気づきにくいでしょう。



【どうすれば自分の体に気付ける?】

1つは私達鍼灸師の出番になります。

脈・お腹・舌などを見る事で自分では当たり前と思っていた事に改善ポイントが隠されているかもしれません。

では人から指摘されないと気付けないの?
と思う方は多いでしょう。

確かに自分で気付く事の方が難しいとは思います。

しかし、なかなか妊娠しない上にどうすればいいのか分からない。

ならば妊娠しやすい身体になるために勇気を振り絞って自分の体ともう少し向き合ってみましょう。

妊活に取り組んでいる時、自分で何とかしたい!と思う気持ちはあると思います。

私も妊活中、自力で何とかしたいと思っていました。


しかし、新たな視点で体を見る事で妊活への向き合い方をお伝えできる事があります。

どう妊活を進めるべきか分からなくなった場合、ぜひ私達に相談してみてください!

そしてより妊娠しやすい身体へ近づいていきましょう!



【まとめ】

本人にしか分からない症状もあれば、本人だからこそ気付けない症状もあるでしょう。

治療中に思いもしなかった事を指摘されて驚く方も多いと思います。


「自分は健康!」と思っているなか、改めて疑うというのはなかなか難しいです。

しかし、妊活は自分の体と向き合う大きなチャンスです。

なかなか妊活がうまくいかないと嫌になってしまいますが、ここは体を変えるきっかけだと信じ、自分の体の声に耳をすませてみてはいかがでしょうか?



この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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