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妊活お役立ちコラム

2024/09/11

不妊鍼灸

体外受精治療中の休みのタイミングで自然妊娠

体外受精を始めて何度も採卵と移植を繰り返したけど、なかなかうまくいかない。

頑張っているのに結果が伴わないから主人に「少し休んだら?」と言われるけど、休むとますます妊娠が遠ざかりそうで怖い。

そんな時に「体外受精の休み周期に妊娠した」「治療をやめた後に妊娠した」「子供を諦めた途端妊娠できた」などと耳にする。

自分には無関係と思うけど、自然妊娠できたお休み周期をどのように過ごしてか気になる。

こんな風に思ったことはありませんか? 

当院に通われている患者様のなかにも

  • ・体外受精の休み周期に自然妊娠した方
  • ・治療をやめた後に自然妊娠された方
  • ・1人目は何年も体外受精をされてようやく授かったけど、2人目は治療を始める前に自然妊娠した


そんなご報告を時々いただきます。 

休み周期に自然妊娠できた理由はまだ明らかになっていません。

しかし、当院に通われている患者様の症例や専門医の意見を交えて考察したいと思います。
 

    もくじ

移植直前直後の鍼灸

体外受精を休んでいる周期に自然妊娠は可能?

体外受精の休み周期に自然妊娠できるか疑問に思う図

  • ・なかなか自然妊娠しないから体外受精にステップアップした。
  • ・自然妊娠と体外受精を比べると体外受精の方が妊娠率は高い


そんな背景を考えると体外受精の休み周期に自然妊娠というのは難しい例だと考えられます。 

しかし、当院でも時々伺う「体外受精の休み周期の自然妊娠」

では、そもそも自然妊娠できる条件は何なのでしょうか?


自然妊娠の条件

自然妊娠するには以下のことをクリアする必要があります。

  • ・排卵ができている(薬や注射の利用も可)
  • ・卵管が通っている癒着がみられない(片側通っていれば大丈夫)
  • ・排卵前におりものが分泌されている
  • ・卵子の元まで到達できるだけの精子がいる

これらが問題なければ自然妊娠できる条件がそろっています。


休み周期に自然妊娠できた理由

休み周期に自然妊娠が判明した図

上記の自然妊娠できる条件を全てクリアしてもなかなか妊娠できず、体外受精にステップアップされている方は大勢いらっしゃいます。

そして妊娠率が高いとされる体外受精でもなかなか妊娠できないため、皆様悩まれています。

そんななか、どうして体外受精の休み周期に自然妊娠できたのでしょうか?

残念ながら休み周期に自然妊娠できた理由は科学的に明らかになっていません。

しかし、以下の要素が体外受精の休み周期に自然妊娠できた理由と挙げる専門家もいます。

  • ・過去の卵巣刺激により、小さな卵胞が2〜3か月後に反応した
  • ・採卵で卵巣に針を刺すことで、血管新生が促された
  • ・治療をお休みすることで、心が安定することで身体が良い方向へ向かった


上記が妊娠を後押ししたか確定はできませんが

これまで体外受精に取り組んでいたからこそ、休み周期に自然妊娠できた要因があったのかもしれません。



そあら鍼灸院に通っていた人で休み周期に自然妊娠した人は?

当院に通われていた患者様の中にも休み周期に自然妊娠された方はいらっしゃいます。

では一体どのような治療を受け、妊娠した周期はどのように過ごしていたのでしょうか?

当院に通われていて体外受精の休み周期に自然妊娠された方の症例を紹介します。
 

3回移植してもうまくいかず、転院直前に妊娠が分かった35歳Aさん

35歳Aさんは2人目治療で当院に来られました。

もうすぐ3歳になる上のお子様はタイミング指導で授かっているため、積極的なステップアップは考えていませんでした。

妊活のためにご自身で冷え解消に取り組んでいましたがなかなかうまくいかず、妊娠しやすくするために体温を上げたいと当院の初診を受けられました。

しかし、当院で治療を受けながら何周期かタイミングを試しても妊娠に至らないため人工授精へのステップアップを決意されます。

そこで何度か人工授精を試されましたがうまくいかず、体外受精専門のクリニックへ転院決めました。

グレードの良い胚が採卵できましたが、流産してしまい、何度か移植するものの着床しない。

凍結胚を全て移植し、その後の採卵では凍結できないことが続きました。

Aさんは「今まで凍結はちゃんとできていたのに、凍結できなかったことは初めて…。」と呟いていました。

採卵が苦手で今回の採卵を最後にすると意気込んでいたこともあり、すっかり心が折れてしまいました。

その後の採卵、移植とうまくいかず、治療はお休みしますが定期的に鍼灸治療に通ってくださいました。

そこで妊娠のための身体づくりはもちろんですが、お気持ちを吐露し、他の病院ではどのような治療をしているのか、情報を得るためにも欠かさず来てくださいました。

ほかの病院での治療法を知ったAさんは再度転院を決意します。

転院先の病院の初診を受け、生理がきたら採卵周期に入る予定でした。

しかし、なかなか生理がこないため妊娠検査薬を使用したところ、妊娠していることが判明。

採卵を4回、移植を3回されて授からなかったため、自然妊娠にAさんは非常に驚かれていました。

Aさんからはご出産報告をいただいています。 




PGT-Aを始める決意をした直後に自然妊娠が分かったBさん

42歳のBさんはこれまで移植を4回行い、その内流産が2回。

2回目の流産の時に胎児に染色体を調べたら問題なし。

不育症の検査では免疫の項目で引っ掛かり、漢方を処方されています。

当院の初診を受けた時は5回目の移植が終わり、判定日まで待つ日々。

なかなか治療がうまくいかないことに「今後どうすればいいのか分かりません」と初診時には涙を流していました。

判定日を迎えたが陰性、その次の移植もうまくいかず、別の病院に転院することに。

転院先の病院ではPGT-Aを勧められ、ご主人と話し合った結果、PGT-Aを受けることを決意されました。

次周期から採卵…と思っていたものの高温期が続き、なかなか生理が始まりません。

過去に流産した経験からか、すぐに病院にはいく気にはなれないと話すBさん。

生理予定日から2週間経過したところで病院に行くと胎児の心拍が見えており、妊娠が分かりました。

2回の流産は共に7週の時だったので、不安と悪阻と戦いつつ安定期を迎えることができました。

ちなみにBさんのご主人はBさんを心配して一緒に来院し、鍼灸治療の様子を見学することがあります。

Bさんの妊娠が分かった頃、ご主人から
「今まで体外受精をやっても妊娠しなかったのに、今回自然妊娠できたのは鍼灸治療のおかげでしょうか?」

と聞かれたことがあります。

自信をもって「鍼灸治療のおかげです!」と言いたいところですが、私はBさんの妊活のサポートにすぎません。

週に1回鍼灸治療を受け、セルフケアとして毎日ご主人に協力してもらいながら家でお灸をし、体を温めて過ごす内に少しずつBさんが持っている本来の力が発揮されるようになったのではと考えています。
 

そあらの考え

そあら鍼灸院で妊娠しやすくなる身体づくりのステップを説明した図

上記で紹介したAさんとBさんには共通する点があります。

  • ・定期的に鍼灸治療を取り組んでいた
  • ・自身でもセルフケアをしっかり取り組んでいた
  • ・休み周期は排卵日にきっちり見極めたわけではなく、何となくおりものなどから判断してタイミングをとった

お二人とも「休み周期に自然妊娠するという話もありますから!!」とタイミングをとったわけではなく、 

「おりものが増えたから一応タイミングを取りました」

と話し、お気持ちは次周期に向いていました。

これまでなかなか妊娠できなかったことを考えると排卵日を正確に把握することは重要に感じられます。

しかし、ここで紹介された方は病院で卵胞チェックどころか、排卵検査薬すら使っていません。

治療がない周期は休みを堪能して心の底からリラックスしていたように見えました。

なかなか生理が始まらないことに対しては妊娠とは思わず、「排卵がいつもより遅いのかな?」程度にしか思っていませんでした。

そしてお二人とも日々セルフケアに励み、休み周期であっても鍼灸治療を定期的に続けられていました。

当院はお二人に限らず、休み周期であっても鍼灸治療を継続される方が多くいらっしゃいます。

それは身体を整える重要性を理解している点はもちろん、単純に仕事や家事で疲れているので鍼灸治療を受けたいと自主的に来られています。

体調のケアやリフレッシュを求めている多くの方は治療を受けた後に「これで今週も乗り切れる!」と晴れ晴れした表情でおっしゃいます。

もちろん妊娠しやすくなるための身体作りを前提で来院されていますが
「鍼灸治療で心身をリラックスさせたい・体調を良くしたい」と妊活だけが目的ではなくなっています。

そうして休み周期は妊活を意識してせずとも妊娠できる力を少しずつ着実につける。

そこに追加して不妊治療のための通院がなく、お気持ちをリラックスできた。

お気持ちが整ったことでより自律神経が整い、ホルモンバランスも血流も整いよい卵胞が作られていたことが予測できます。

「こうすれば必ず妊娠できます」というセオリーは残念ながら存在しませんが、体外受精でなかなか授からない方でも、妊娠しやすい身体作りを続けることで妊娠のチャンスは毎周期存在するのではと考えております。


妊活のセルフケアの中でも温めは大事です。シャワーでも温める方法を紹介します。


食事はお身体づくりにとって大切な要素です。

こちらではおうち妊活について色々なコラムを掲載しています。

まとめ

休み周期の自然妊娠というのは治療に励んでいる方からすれば、非現実的に感じるかもしれません。

体外受精にステップアップする前に何度もタイミングを試し、うまくいかないからステップアップしている。

年月も経っているからますます自然妊娠はしにくいと思うことは無理もありません。

確かに休み周期での自然妊娠はレアケースではありますが、当院でも時々聞くお話です。

妊娠というのは不確定なものでいつどうなるかなかなか分からないものです。

しかし、気持ちがふさぎ込んでいると、連動してお身体も乱れてしまいます。

辛い時は無理をなさらずしっかりリフレッシュさせ、心身を整えることで妊娠への身体作りの一歩となります。


移植直前直後の鍼灸

この記事の著作者

鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 楠本 敦子

「東京漢方鍼医会」会員

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。

この記事の著作者

院長 松本 敏樹

不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー
一般社団法人「日本生殖医学会」会員
妊活コーチ/妊活コーチング
東京漢方鍼医会 代表

より詳しい内容はこちらをクリックしてご覧ください。
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