妊活お役立ちコラム
2025/04/20
不妊治療解説
DHEAとは?妊活におけるサプリの効果と副作用

当院に通われる患者様から
「何かお勧めのサプリはありますか?」
と聞かれることがあります。
採卵がなかなかうまくいかない時に「何か自分にできることはないか」と考えた時に、サプリメントの摂取を検討する方もいらっしゃいます。
そこから派生して「ここに通っている人でDHEA飲んでる人はいますか?」とも質問が。
今回はこのDHEAについて解説します。
- 1. DHEAとは?
- 2.DHEAの不妊治療に対する効果
- 2-1 どうしてDHEAが卵胞の発育に関係する?
- 2-2 DHEAとミトコンドリアの関係
- 2-3 DHEAで老化防止?
- 3. DHEAを購入するには?
- 3-1 DHEAの副作用は?
- 3-2 DHEAはどんな人に向く?
- 4. まとめ
DHEAとは?

DHEAは略称であり、正式名称はデヒドロエピアンドロステロンです。
副腎や卵巣から分泌され、男性ホルモンであるテストステロンやアンドロゲン、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンなどの原料となります。
このDHEAは加齢と共に分泌量が減少してしまいます。
海外ではサプリメントとして販売されており、若返り・ダイエット、滋養強壮など様々な効果がうたわれています。
一方、日本では医薬品と指定されているためサプリメント(食品)として扱うことはできません。
DHEAの不妊治療に対する効果
ではDHEAと不妊治療にはどのような関係があるのでしょうか?
DHEAは年齢とともに体内での分泌量が減少することが知られており、そのため外部からDHEAを補うことで卵胞の発育能力が向上するのではないかという考え方が注目されています。
DHEAは以下の点から不妊治療に有効とされています。
- ・男性ホルモン作用により、小さな卵胞の発育を促す。
- ・ミトコンドリアの機能を促進させる
- ・抗酸化作用による老化を防ぐ
これらの効果から不妊治療に有効と考えられています。
どうしてDHEAが卵胞の発育に関係する?
卵胞の発育に男性ホルモンが関係すると言ってもなかなかピンとこない方もいるかもしれません。
DHEAは穏やかな男性ホルモン様の作用を持ち、卵胞内ではテストステロンやエストラジオールといった性ホルモンの原料となります。
排卵誘発剤に反応する前段階の小さな卵胞の成長に、男性ホルモンが関与していると報告されています。
生理中の内診で見える卵胞は胞状卵胞といいますが、その前段階の前胞状卵胞が胞状卵胞まで成長するために必要なホルモンが男性ホルモンであるテストステロンです。
また、卵子の在庫を測るAMHは前胞状卵胞から分泌されるホルモンであるため、低AMHの方にもDHEAは勧められています。
AMHについてはこちらで詳しく解説しています。
DHEAとミトコンドリアの関係
ミトコンドリアとは細胞が働くエネルギーを作る発電所のようなものです。
卵子にはたくさんのエネルギーが必要とされます。
卵子がエネルギー不足だと働きが悪くなり、染色体異常のある胚が増えてしまいます。
DHEAがミトコンドリアの働きを促進させることができるため、卵胞内のエネルギー産生を助けると言われています。
ミトコンドリア内でエネルギーを作り出すのを制御しているタンパク質の働きを強める作用を持つ
卵子とミトコンドリアについてはこちらで詳しく解説しています。
DHEAで老化防止?
DHEAは若返りをうたわれていますが、どうしてでしょうか?
DHEAは抗ストレスホルモンです。
ストレスを感じると身を守るためにコルチゾールというホルモンが分泌されて、血糖値が上昇します。
その時に活性酸素も発生し、身体を錆びつかせて老化を促進させてしまいます。
DHEAはこの働きに対抗します。
DHEAの抗酸化作用により、卵子や精子の働きを促進することができます。
卵子の老化についてはこちらで解説しています。
卵子老化のサインってある?卵子の老化が加速する原因。
妊娠できるかどうかは残念ながら年齢が大きく影響します。自分の卵子が老化しているか確認することがお勧めです。
およそ3カ月間DHEAを摂取することで、胚の質の向上、血中AMH値の上昇や採卵数の増加、さらには妊娠率の改善といった効果が統計的に有意であったとする報告もあります。
DHEAを購入するには?

上記で述べたようにDHEAは日本では医薬品とされています。
そのため、食品の一つとして取り扱われるサプリメントは日本での販売が認められません。
そして、医薬品としても国内で製造もされていません。
そのため、DHEAのサプリメントを購入する場合は医師から購入する必要があります。
DHEAのサプリメントは個人輸入で入手可能という意見もありますが、日本では「未承認医薬品」という扱いのため、医師でないと輸入はできません。
また、商品によっては安全性が確立されていない商品もありますので、医師から処方してもらうことが安全といえます。
DHEAの副作用は?
DHEAは以下の方にはお勧めしません。
- ・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- ・乳がん、前立腺がんなど、性ホルモンが増殖する疾患
- ・肝機能障害の既往
- ・妊娠中、授乳中
多嚢胞性卵巣症候群の人は元々男性ホルモンが多いため、DHEAを飲むと悪化する可能性があります。
PCOSでよくいわれる、卵子の質が低下による受精率の低下や胚盤胞到達率の減少。
さらに子宮内膜の受容能が低下することによる流産率の上昇が知られています。
そのためDHEAの使用が逆効果となる場合も存在しています。
また、男性ホルモンが作用するために以下の副作用がでることがあります。
- ・多毛
- ・肌荒れ
- ・脂汗
PCOSについての詳しい記事はこちら
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状や原因について
若い女性の5~8%がPCOSと言われていて、決して珍しくない症例です。PCOSで自然妊娠した方もいれば、体外受精をしてもなかなかうまくいかない人もいます。PCOSの原因、症状、当院に通われた患者様の事例などを紹介します。
痩せ型PCOSの改善方法についてはこちらで解説しています。
「多胞性卵巣症候群(PCOS)で痩せ型の方へ筋肉をつけ改善の提案!」
これまでPCOSというと肥満を特徴に挙げられていましたが、日本人は痩せ型体型の方でPCOSの方は大勢いらっしゃいます。痩せ型PCOSの方の改善方法を解説しています。
DHEAはどんな人に向く?
DHEAは以下の方に特にお勧めとなります。
- ・AMHが低い人
- ・卵巣機能が低下している人
- ・FSHが高い場合
- ・採卵で卵巣刺激をしても卵胞が育たない
上記で述べたように前胞状卵胞が生理中に内診で見える胞状卵胞まで成長するのに必要なホルモンがテストステロンです。
卵子の数を測るAMHはこの前胞状卵胞から分泌されます。
DHEAによって男性ホルモンが補充されるため、低AMHの人や採卵できる数が少ない人にはDHEAが効果的と言えます。
また、DHEAには卵子のエネルギー産生の促進や老化防止の効果がありますので卵巣の機能低下に悩む人にもDHEAが適応と考えられます。
まとめ

DHEAは海外ではサプリメントとして販売していますが、DHEAは性ホルモンの1つです。
効果があり、妊娠に至った方も大勢いますが、効果が強い物には副作用など注意も必要です。
個人輸入で購入できるという意見もありますが、信頼できる医療機関で購入することがお勧めになります。
例えばクリニックで血液検査でDHEA-Sを測定し低いかどうかを確認してもらうなど、医師としっかり連携をとった上で、妊娠に向けてのアプローチが大切になります。
当院では、FSHが高かったり、なかなか良い質の卵子が採れない、卵胞の数が育つようしたいと来院される方が多くいらっしゃいます。
その際にDHEAの相談をされることもあります。
大切なのは質の良い卵子が採れたり、薬に反応して卵胞がしっかり成長することです。
当院での鍼灸治療でも一緒に妊娠に向けてのお手伝いができたらと思っています。
採卵に向けての鍼灸について詳しくはこちらに記載しています。
採卵のスケジュールに向けての妊活鍼灸とは|質の良い卵子を育てる
妊活において良質な卵子がとれるかどうかは最重要ポイントです。卵子の種が排卵されるまでの流れ、良質な卵子が採卵できるようにするにはどうすればいいか、セルフケアも交えて解説しています。
■■【妊娠しやすい身体づくりの方式と不妊鍼灸3本柱】◆◆
数万例超の臨床実績から導き出した方式
〔①不妊鍼灸3本柱×②不妊カウンセリング×③おうち妊活〕
・不妊鍼灸3本柱(「妊娠脈づくり」「刺さない鍼」「鍼灸おすすめ日」)
・不妊カウンセリング(「妊活情報/クリニック選び」「認活」)
・おうち妊活(「妊娠力アップおうち妊活プログラム」)
東京都新宿区西新宿7-13-7 タカラビル2F
◆◆* *・ ♪・・♪*・ *・♪*♪* ・*・ * ・*・ ・ ♪・♪■■
数万例超の臨床実績から導き出した方式
〔①不妊鍼灸3本柱×②不妊カウンセリング×③おうち妊活〕
・不妊鍼灸3本柱(「妊娠脈づくり」「刺さない鍼」「鍼灸おすすめ日」)
・不妊カウンセリング(「妊活情報/クリニック選び」「認活」)
・おうち妊活(「妊娠力アップおうち妊活プログラム」)
東京都新宿区西新宿7-13-7 タカラビル2F
◆◆* *・ ♪・・♪*・ *・♪*♪* ・*・ * ・*・ ・ ♪・♪■■